配信日時 2021/01/09 20:58

学習心理学から「王道の学び方」を学ぶ ー批判的学習モデルー(後編)【カレッジサプリ】

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令和3年1月9日(第2516号) 


学習心理学から「王道の学び方」を学ぶ ー批判的学習モデルー(後編) 


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2457字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は4件のアポイント。

ならびに夜は、人材・組織開発繋がりの
オンライン懇親会への参加でした。

(Nさん、Mさん、Tさん、ありがとうございました!
 お久しぶりにお会いできて嬉しかったです)



さて、早速ですが本日のお話です。

昨日のメルマガで、

『学習心理学から「王道の学び方」を学ぶ 
 ー学習転移モデルと経験学習モデルー(前編)』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3724362/


というタイトルで学びと気付きを
ご共有させていただきました。

本日は、このお話の後半について
お伝えさせていただきます。

それでは早速参りましょう!


タイトルは、



【学習心理学から「王道の学び方」を学ぶ ー批判的学習モデルー(後編)】



それでは、どうぞ。




■昨日のメルマガ、

『学習心理学から「王道の学び方」を学ぶ 
 ー学習転移モデルと経験学習モデルー(前編)』

のお話をざっくりお伝えすると
以下2つのポイントでした。

(雑ですが、ご容赦を笑)



1)色んな学び方がありますねー


・学習心理学によると学び方は色々ある

・理論を学び、それを実践に活かす「学習転移モデル」

・経験からの学びを、マイセオリーを作り上げる「経験学習モデル」

があります。からの、、、


2)学び方の特徴を知り、活かして、
  柔軟に学び続けましょう!


「理論が大事です。やり方体系立てて教えて下さい」
という理論バンザイ派でもなく(学習転移モデル派)


「経験が大事だ!理論なんて役に立たない」
という経験バンザイ派でもなく(経験学習モデル派)

それぞれの学び方の特徴を捉えて、学ぶことが大事。


研究されていて理論体系があるものは、
その知識・スキルをしっかり学び、
自分に取り入れていけばよい。
(例/医術、格闘術、コーチングの技術などですね)

複雑な理論が混じり合い、自分なりの
マイセオリーを見つける必要があるものは
経験も重視して、自らの経験を内省し、概念化するのが重要。
(例リーダーシップ、職人のような言語化が難しい世界など)

どちらに偏ることもなく
「学び方」を柔軟に学び続けていくことで、
私たちは学び、成長していくことができる、

「理論✕経験」どちらも大切に学ぼうね!


、、、というお話でした。



■そして、最後に、

「もう一つ、ご紹介したい学び方がある」

というお話で締めさせて(?)
いただいたのが昨日のお話。


そして、もう一つの
「ご紹介したい学び方」、それが、


【批判的学習モデル】


なるものです。


この”批判的学習モデル”とは何でしょう。

平たく言えば、


『”自分の当たり前”に対して、批判的になる』


という学び方です。



■これ、サラリと流してしまいそうですが、
実はめちゃくちゃ重要です。


、、、というのも、私たちには、

”自分の身の回りの世界を
「当たり前」として受け入れてしまう”

傾向があるからです。



例えば、テクノロジーの活用などは
わかりやすい例かと。

たまに、

「FAXでやり取りするのが当たり前の、
 旧態然とした組織」

を見ることがありますが、

その中で働く人からすると、
”当たり前”だったりして、
疑わないこともあったりする。

ハンコおして、ミスして、
もう一度プリントし直して、
送信確認して、電話で着確(届いたか確認)する。


それはさすがに極端だとしても、
”当たり前の働き方”を疑わない、ということは
実によくあります。


今なら、

「クラウドを活用した働き方」
(例/G-suiteの活用、slackの活用、
 オンラインホワイトボードの活用)

で生産性は爆上がりするのに、
それを知らないがゆえに、古き良き
(ただし本人にとっては。生産性は低い)
働き方になっていることも、ままあったり。



■ちょっと話が
個別具体的に寄りすぎましたが、

「今のやり方を”当たり前”として 
 受け入れて疑わない」

というのは、実に身近にある、
ということです。



■何かの名言風に言うなら、

「私(師)の学びを得たければ、
 お主の己の頭を空にせよ!」

みたいなものでしょうか。
(あれ、わかりづらい?)


とにかく、


『自分のやり方・考え方・価値観を、
 手放してこそ(=批判的になってこそ)
 新しい学びは得られる』

わけです。




■そんな

”批判的思考(クリティカルシンキング)”

を獲得することで、
新しい可能性も生まれてきます。



この批判的思考について、
ウエスト・ロンドン大学のレイノルズ教授は、


『批判的思考の三段階』


を提唱しています。
内容は、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<批判的思考の三段階>

レベル1:手段探求モード(instrumental mode)
 … 手段に対して批判的になる

レベル2:目的合意モード(consensual mode)
 … 目的に対して批判的に考える。
   自分だけでなく他者の視点からも合理性があるかどうか

レベル3:背景批判モード(critical mode)
 … 設定された目的や手段を”正しい”と受け入れている
   自分自身のモノの見方・考え方に批判的になる
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。



■ちょっと何のことやら…という空気が
漂った気がしますので、
以下、具体的に考えてみたいと思います。



例えば、皆さまが、
ある会社の研修担当だったとします。

「チームのコミュニケーションを活性化させるために
 マネージャー向けのコーチング研修をやろう」

となったとしましょう。

その時に『批判的思考の三段階』で
”批判的”に考えてます。



◯レベル1:手段探求モード(instrumental mode)

「チームのコミュニケーションを活性化させるために
 ”コーチング研修”が正しい解決方法なんだっけ??」

(=「手段」に対して”批判的”に省察する)



◯「レベル2:目的合意モード(consensual mode)

「、、、ってかそもそも、
 「チームのコミュニケーションを活性化させる」
 というゴール設定は正しいのだろうか?

 他にもやるべきことがあるんじゃないだろうか?
 例えば、情報共有のシステムを入れるとか、、、」

(=「目的」に対して”批判的”に省察する)



◯レベル3:背景批判モード(critical mode)

「、、、というより、自分、何でもかんでも
 ”コミュニケーションとか、関係性が大事”に
 問題を置き換えてしまうような思考の癖が
 自分にも会社にもないだろうか?」

(=「自分自身のモノの見方」に対して”批判的”に省察する)



というイメージかと。

ちょっと強引だったかもですが
概ね遠からずのはず。



■いずれにせよ

「無条件に受け入れる」→「批判的に考える」

ことにより、見えてくるものは
たくさんあるのです。

先述の働き方でも、


・メールの返信の仕方

・人とのコミュニケーションの仕方

・パソコンの使い方

・時間の使い方

・情報の整理の仕方

・営業の仕方

、、、

批判することで
「学び」は得られ「新しい結果」も得られます。


■としたときに、
改めて皆さまはいかがでしょうか?


普段から、自分の当たり前を
どれくらい疑っていますか?

自分の無意識の思考・行動に対して、
望ましいものにバージョンアップさせるため、
「自分の当たり前」を日々批判的に省察しているだろうか。

、、、など。


ただ、このような批判的な自己省察を通じ、
「1%の改善」をしようと思えているかどうかは

それが3年、5年経ったときに、
大きな、大きな差になってくる…

そのように思います。



■自分の”当たり前”を疑うこと。

そんな「健全な批判思考」を持ちながら、
日々歩んでいきたいものだ、

そんなことを「批判的学習モデル」を
学びながら考えた次第でございます。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>


発見を妨げる最大の障害は、無知ではなく、
知っていると錯覚することである。

ダニエル・J・ブーアスティン(米国の作家)

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【編集後記】
読む本が追いつかない!
、、、が本とじっくり向き合って
著者の思考と対話をしながら進めないと、
頭の中に入ってこないのも事実。
時間はかかりますが、一歩一歩、
着実に読み進めたいと思います。

  

<皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
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