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令和3年1月5日(第2512号)
研修の学びを、参加者の武器にしてもらうには、
『「教育」と「学習」の違い』を明確にすること
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1768字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日よりお仕事始めの方も多かったようですね。
改めて、本年もよろしくお願いいたします。
また私は2件のアポイントと、
夜は「人材開発・組織開発の勉強会」の開催でした。
(年始早々お集まりいただきました皆さま、
誠にありがとうございました!)
*
さて、早速ですが本日のお話です。
先日より
『企業内人材育成 ー人を育てる心理・教育学の基本理論を学ぶー』
(編著:中原淳)
を読み進めながら、
改めて企業内人材育成を
学び直しております。
その中で、
「学習モデル」(私たちの学び方)と
呼ばれる理論があるのですが、
その中の話が、我々が
新しい知識やスキルを学び、
そして使えるようになっていく上で、
大切なものだと思いました。
もっと言えば、
「人を育て、武器を与える」
上で人材育成担当者にとって
極めて重要な考えだと思いました。
今日はそのお話について
皆さまにご共有させていただければと思います。
タイトルは、
【研修の学びを、参加者の武器にしてもらうには、
『「教育」と「学習」の違い』を明確にすること】
それでは、どうぞ。
■企業研修をしていて、
アンケートでしばしば目にする項目に、
「考え方はわかったけども、
実際に現場で使えるかどうかは不明」
とか
「実際に、自分の部署での活用する方法を
具体的に構築するレベルまで行なわなければ
実践的とはいえない」
というコメントを見ることがあります。
つまり、
”「基礎」としての考え方はわかったけれど
「実践」の方法がわからない”
ということ。
■ただ、そういう研修に限って、
「3時間のセミナー研修」
だったりして(汗)
これ、人事や講師側だと、
「うーん、その時間内で、「基礎的な考え方」から、
人や立場、状況によって違うであろう
「応用・実践の考え方」を全部伝えるのは
極めて難しいよな、、、」
という思ったりもします。
一方、実際にそのような
「どうやって使うのか教えてほしい」
という気持ちが起こるのもよく理解できる。
でも、それらの応用は、
実際に自分でやってみないと、
わからないことでもあるよね。
はて…どうしたものか。
というジレンマ。
■さて、このごちゃっとした状況で、
どのように考えるのがよいのでしょうか?
どう整理すれば、
研修を提供する側も、参加者側も納得して
前に進むことができるのか?
そのために役に立つ一つの観点が、
【「教育」と「学習」の違いを理解する】
ことだと言われています。
■ちなみに、
「「教育」と「学習」の違いは何ですか?」
と問われたら、皆さまは
なんと答えられますか?
、、、
正直、考えたことがない人が
多いのではないかな、と思います。
(少なくとも私はそうでした苦笑)
まあ、なんとなく、
教育は「教える」、
学習は「学ぶ」。
だよな。
教える側と、教わる側?
そんなざっくりした違いがあるイメージ。
■しかし、
この「教育」と「学習」の違いについて明確に理解することが、
学習者が学んだ内容を自分の武器にする上で
とても大事なことのようです。
この分野の研究者、
人工知能研究者のレイブと
人類学者ウェンガーによると、
『学習と教育の認識のズレが、問題を引き起こしている』
とのこと。
■ちょっと曖昧なので
具体的な例を出してみます。
「学習活動」と「教育活動」が
どのように違うのか?
例えば「提案型営業力を身につける」という
目標があったとして、
・「学習活動」とは、
→ 個人や組織が、”提案型営業”を身につけるためにすべきこと
・「教育活動」とは
→ 上記を支援するために人材育成部門ができること
となります。
すなわち、
「「学習」は、個人の現場で起きている」
ものであり
「それを支援するものが「教育」である」
という前提があるのです。
(この大いなる違い、わかりますでしょうか)
■もしこの前提がないと、
「研修で学んだから、実践できるよね」
という大いなる勘違いを
してしまったりする。
そんなバカな、、、と思いそうですが
実際こういう風に思っている人、
結構いるのです。
■考えてみれば、
一度、基礎を講義で聞いたから、学んだからと言って、
すぐに出来るはずはないのは、当然の話。
でも、
1)「教育」と「学習」は違う
2)「学習」は個人や組織の現場で起こるもの
3)「教育」はそれを支援するもの
という理解を”明確に”していないと、
肝心要の「学習」を疎かにして、
「研修(教育)を受けたら終わり!」
と教育のみで完結してしまう。
完全に片手落ちです。
それでは、本人の血肉となり、
自分自身の武器にする大切なプロセスの
「学習」という過程がなく終わってしまう。
だからこそ、
【研修の学びを、参加者の武器として昇華させるには、
『「教育」と「学習」の違い』を明確に理解させること】
が重要なのです。
■先日参加したある研修で
最終日の最後に講師の方が、
「皆さん、とにかく『DSS』ですよ!」
と言っていました。
曰く、
・Do
・Something
・Soon
(意味=とにかく何かすぐやれ)
とのこと。
まさしく、そう。
「教育」で教わった知識・スキルを
DSSして「学習」へと落とし込み、
現場を通じて、自らの武器とする。
このスタンスが
とても重要なのだろうな、
そのように思う次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
してみて、良きにつくべし。
せずは善悪定めがたし。
世阿弥(能楽の作者・役者/1363-1443)
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【編集後記】
年明けから、もっと追い込んでいきたいと思います。
理論を学んだら、応用として脳に汗を書きながら考える。
これが大事なのでしょうね。
<皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
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