配信日時 2020/12/28 09:05

組織行動論から学ぶ、「組織に馴染む」ための最も効果的なアクションとは【カレッジサプリ】

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令和2年12月28日(第2503号) 


組織行動論から学ぶ、「組織に馴染む」ための最も効果的なアクションとは
  

株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2775字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は、
朝部屋の片付けをしたり、

趣味のピアノで
『炎(鬼滅の刃の曲)』を練習したり、

読書をしたりとゆるりと
過ごしておりました。



さて、早速ですが本日のお話です。

2月に大学院受験をする予定ですが
そのための勉強会として毎週月曜日19時から、


【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会 
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA


なるものを行っています。

・リーダーシップ
・組織開発
・経営学

などにまつわる教授たちが勧める本を
私が読んで、出来るだけわかりやすく、
噛み砕いて皆さまにシェアする、という会。


実際に、「誰かに教える」というのは
圧倒的に学びの習得スピードが上がると感じています。

本日はその中の学びから

『組織行動 ー組織の中の人間行動を探るー』

より学んだお話を皆さまに
ご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!


タイトルは、


【組織行動論から学ぶ、「組織に馴染む」ための最も効果的なアクションとは】


それでは、どうぞ。



■皆さまの会社に

「新入社員」

が毎年入社される、という方も
少なクないのではないかと思います。


ヒト・モノ・カネが
企業活動には必須と言われますが、

採用活動は、
企業の存続のために
とても大切なヒトを獲得する
重要な活動です。



■しかしながら、一方、
新入社員が3年以内に辞めてしまうことも
少なくありません。


そして、その離職の理由として
多くあげられるのが、

「会社での人間関係や、
 上司との折り合いの悪さ」
(=組織に馴染めない)


という事実があります。



■仕事内容もさることながらに、

「人間関係が重要」というのは、

新入社員はもとより、
既に長く働いている既存の社員にとっても
同じことが言えるはず。


”従業員を「組織に馴染ませる」”


という活動は、

仲間を企業活動に参加し続けてもらうために、
そして役割を果たしてもらうために
必須の行動であると言えそうです。


ゆえに会社も、

・サークル活動を促す
・会社の◯周年記念祭を行う
・職場の懇親会の費用を持つ

などのアクションを行う
然るべき理由があるわけです

(ちなみにこれらの
 ”個人を組織の中に馴染ませる方法”を
 「社会化戦術」と言います。

 なんだか名前がつくと
 急にドライに聞こえてしまいますが汗
 大事な活動ですよね)



■さて、では、

「個人が組織に馴染む」

ために、我々は受け身でいればいいのか?


例えば、新人は

先輩から飲みに誘われるのを待つ、
イベントが開催されるのを待つ、

などしかできないのでしょうか?

リモートワークだと益々難しそうですが
そんな中で、”組織に馴染みたい”個人は、
一体何ができるのでしょうか?



■その中で、

「組織から」の働きかけではなく、
「自分自身から」の働きかけで

組織社会化の(=組織に馴染む)行動が
注目されています。

例えば、

・新しいアイデアを積極的に提案する
・組織の内実について積極的に学習する
・社内のイベントに参加する

などの行動です。

(こういった自分からの行動を
 『プロアクティブ行動』と呼びます)



■そして興味深い話が

その「プロアクティブ行動」の中でも

最も効果がある行動が
経営学者のロバート・レンらが行った
実証研究によって明らかにされたのです。


映えある、

”自分自身から組織に馴染むためにできる
 ベストなプロアクティブ行動”

とは、


『自身の割り当てられた仕事に対して
 ”フィードバック”を求めること』


であることがわかったのです。



■フィードバックとは、

”周りの上司や同僚・部下などに、
 自分がどう見えているか等について、
 意見をもらいに行くこと”

です。


例えば、

「自分はどんなことを期待されているのか?」

「自分の仕事は期待を超えていますか?」

「どんなところが強みで、課題なのか?」

などを聞く、ということ。


そして、

『これらのフィードバック探索を行うほど、
 「職務パフォーマンス」が高まる』

ことが研究結果で明らかになっているのです。

実に興味深いです。



■しかし、言うは易しで、

これらのフィードバックに効果があるからといって
おいそれと出来るかと言うと、
そういうわけでもないのです。


もし皆さんが新人だったとして、
本当に先輩や上司に、

「フィードバックください!」

と言えるだろうか? という話。


フィードバックを求めることができない
(やりづらい)理由は主に2つ上げられます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『フィードバックを求めることやりづらい2つの理由』


<1,誰からフィードバックを貰えばよいか
  わからない(探索と対面コスト)>

・先輩も上司も忙しそう。
 そもそも時間的な余裕もなさそうで
 対面して「時間を下さい」というのも抵抗がある。

 しかも先輩・上司色々いる中で
 誰かに声をかけるということは
 誰かに声をかけないということであり、それも気になる、

 という現象が起こります



<2,耳の痛いフィードバックを言われても、
   受け止め、実行しきれない(探索と実行のコスト)>

・人は本能的に弱みや欠点に目が向きます。
 もし上司や先輩にフィードバックを求めたら
 「ここが課題だ」と言われることは必須でしょう。
 その中で、その率直かつ耳の痛いフィードバックを
 本人が受け止められるかどうかが問題です。

・場合によっては、感情が先走って、
 フィードバックの内容より「否定された」「自分はできないんだ」
 という気持ちになり落ち込んでしまうことも考えられます。

 ゆえに、フィードバックを正しく理解し、
 それを改善するための実行は
 「言うは易し行うは難し」なのです。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■誰かにフィードバックを求めるのは
効果的と分かっていても、
やはり心理的な抵抗感は強いもの。


実際、研修をやっていても
部長や経営幹部になるほど、

「360°評価」
(部下や同僚による評価)

を敬遠しがちという傾向が明らかに見られる
(紀藤の経験上)

というのもあります。

(多分、わかるんでしょうね、、、)


■以上のことを考えると、まず

【 組織行動論から学ぶ、
 「組織に馴染む」ための最も効果的なアクション】

として、
「フィードバック行動」が一つある、
ということはわかりました。

フィードバックを通じて、組織に適応し
高い職務パフォーマンスも期待できます。

ただ、同時にそれは
ハードルが高い行為でもある。
そのことをも知っておく必要がある、ということ。



■ゆえに、もしあなたが
「人事担当者」や「新入社員育成担当者」だったならば

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<”フィードバック行動を促す”上でのサポート>として、

1,誰にフィードバックをもらうのか明確にする

2,フィードバックをして貰う人にも予め打診をして、
  良い点と課題点をそれぞれ伝えるように教育する

3,適切にフィードバックを理解し、
  受け止め、改善する機会を用意する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ことなどが重要になる、
と考えられます。



■いずれにしても、
パワフルな「フィードバック」。

これを活用しながら
組織へ馴染み、成果も発揮し
強く素晴らしいチームを
目指していきたいものですね。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

マルクス・デイヴィスはブーイングを浴びた。
ハンク・ウィリアムズもブーイングを浴びた。
ストラヴィンスキーもブーイングを浴びた。
あなたもたまにブーイングを浴びないと何者でもなくなる。

ボブ・ディラン

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【編集後記】
最近「◯◯論」の話をよく読みますが、
本当に勉強になります。そして楽しいです。


  <皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
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