配信日時 2020/11/01 22:27

今週の一冊『なぜ部下とうまくいかないのか ~「自他変革」の発達心理学~』【カレッジサプリ】

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令和2年11月1日(第2446号) 

  
今週の一冊『なぜ部下とうまくいかないのか ~「自他変革」の発達心理学~』  
 

株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  1716字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、

朝8時から16時すぎまで
ストレングス・ファインダーのワークショップ実施、

その後、夕方17時30分からは、
某企業の社内有志の勉強会の
ゲストスピーカーとしてお話させていただきました。

また、そのまま懇親会へ参加。

濃厚で充実した1日でございました。

(ご参加頂いた皆様、
 改めてありがとうございました!)





さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。


今週の一冊は、
 
=========================  

『なぜ部下とうまくいかないのか ~「自他変革」の発達心理学~』 

著:加藤洋平
https://www.amazon.co.jp/dp/B01DW4YT6G/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_0VPNFbHR0ZQCA @amazonJP

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です。



■今週の一冊。

『成人発達理論』

という理論について
書かれた本です。


実は「成人発達理論」については、
累計3冊目のご紹介です。

あまりにも面白いので、
個人的にハマりまくっております。


そして、この考え方は
ぜひ多くの社会で活躍する大人の皆様に、
知っていただきたい!

そんな思いで本日も

『なぜ部下とうまくいかないのか 「~自他変革」の発達心理学~』

をご紹介させていただきたいと思います。


※ちなみに、これまでの『成人発達理論』に関する
 バックナンバーはこちらです。
 お時間があれば、ぜひ!

 ↓↓
 
 今週の一冊『リーダーシップに出会う瞬間 成人発達理論による自己成長のプロセス』
 https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9448/

 今週の一冊『成人発達理論による能力の成長 -ダイナミックスキル理論の実践的活用法-』
 https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9453/





■ちなみに、
「成人発達理論」とは、

読んで字のごとく、


「大人は、どうやって成長していくのか?」


について考察された理論です。


ハーバード大学敎育大学院教授
ロバート・キーガン氏が提唱し、

欧米では知られている一方、
日本ではまだまだ知られていない理論です。



■元来の発達心理学では、

「子供のうちは成長するけど、
 大人になったら成長しない」

これが通説でしたが、
実際はそうではなく、大人も成長するのだ、

としているのです。


そして、

「大人がいかに成長するかのステップ」を

ざっくりお伝えすると、
以下の通りとなります。

(※発達段階1は大人になる前の子供なので、
 一部割愛しています)


このフレームを当てはめるだけでも
自分にとっての視点の広がりになるかと思います。



<成人発達理論 まとめ>


◯「利己的段階」(発達段階2/成人の約10%)

(考え方)
・自分だけ良ければよい
・周りは自分の欲求を満たす道具である

から始まり、


◯「他者依存段階」(発達段階3/成人の約70%)

(考え方)
・組織や集団に従属。他者の意見に従う
・会社のルールはこうだから。上司がこう言ったから
・自分の意思決定基準を明確に持っていない


へと続き、


◯「自己主導段階」(発達段階4/成人の約20%)

(考え方)
・自分なりの価値観や意思決定基準を設けている
・自律的に行動をできる
・自己成長に強い関心がある


へと至ります。



更に行くと

「自己変容・相互発達段階」として、
(発達段階5/成人の1%未満)

・自分の価値観に囚われることなく、
 多様な価値観・意見などを汲み取り意思決定する

・自らの成長に強い関心を示さず、
 他者の成長に意識のベクトルが向く



、、、となっていきます。



■ちなみに、発達段階が上の法が、
良さげな感じがしますが、

実際、そのレベルでなければ
できないこともあるので、

(例えば、利己的段階で飽くなき欲求と
 エネルギーを持つからこそ
 成し遂げられることがある、など)

一概に「発達段階が上のほうがいい」とも言えず、
一つのプロセスにしか過ぎません。



ただ、いずれにしても、
上の段階に登っていくことで、

・人間としての器の成長
・他者への認知の幅が広がる

など繋がるため、

”大人として成熟していくプロセス”

とも言えますし、

チームワークを発揮して
他者と自分を相互に影響を与え合う
一つの存在としてみなし、

より成果を出していくことに
繋がっていくとも言えるでしょう。



■そして、今回の

『なぜ部下とうまくいかないのか ~「自他変革」の発達心理学~』 

の本。


この本では、小説仕立てで、

・大手製造業勤務
・45歳課長(妻と2人の子供)
・サラリーマン

の山口光という架空の人物が
主人公となり、

とあるバーで、
「成人発達理論」を教えているコーチ:室積氏と
出会うところから始まります。


(このバーで出会う系の設定、
 成長系の本では実に多いのですが(笑)
 やっぱり、わかりやすくて面白いです)



■そして何気ない会話から、
相談が始まるのです。


「チームワークが苦手で、
 自分勝手な部下がいるのだが、
 どう関わったらよいのだろうか?」

とか

「優秀だか、”指示待ち人間”の部下いるが、
 どのように育てればよいのだろうか?」

とか

「自分独自の考えを持っているが、
 個性が強すぎて他者の意見を無視する部下は、
 どう育てればいいか?」


などを、コーチングしていくのです。


ちなみに上記の部下とは、
上から

・発達段階2/利己的段階の部下

・発達段階3/他者依存段階の部下

・発達段階4/自己主導段階の部下

です。



■その中で答えとして、

「”問い”により考えさせることが
 上司の役割である」

とか、

「ピアジェ効果。
 無理やり成長をさせることはできない。
 本人のステップを大事にすること」

とか、

「自分自身の発達段階を高めなければ、
 知識・スキル以上のことを教えることはできない」

そして、


『自らの頭の中を”言語化”する訓練がなければ成長はない』


など、多くの気づきを経て、
主人公の山口光の航路が
大きく変わっていきます。



■そしてその軌跡が、


「仕事と人と対話を通じて
 ”人として成長していく”」


という疑似体験をしていく…

そんな構成で、
興味深く読めます。


しかも、
文体もあまり堅苦しくなく、
かつ本もさほど厚くなく、

2~3時間くらいで
さらりと読めるのもよいです。



■ぜひ、

「部下をいかに育てるのか?」

について、知識やスキルではない
本質的なところから向き合いたい方は、
参考になることが多いはず。



また、部下を育てるためには、

「結局、自らが成長するしかない」

ということを、明確に
突きつけられる本でもあります。


最後にその一節を、
ご紹介したいと思います。


(本文より引用)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<コーチングと自己成長>


エグゼクティブ・コーチングの効果について
研究をしているオットー・ラスキー博士が、
発達理論の観点から興味深い調査結果を報告しています。

ラスキー博士は、エグゼクティブを対象に、
1年間のコーチングを提供し、

エグゼクティブの意識段階の発達に与える効果について
調査をしました。


この結果明らかになったのは、

”エグゼクティブよりも意識段階の低いコーチは、
 1年間のコーチングを提供しても、
 エグゼクティブの意識段階の成長に一切寄与しなかった”

ということです。

逆に

”エグゼクティブよりも意識段階の高いコーチは、
 1年間のコーチング通じて、エグゼクティブたちの
 意識段階の成長を促すことができた”

ということです。


※引用 『なぜ部下とうまくいかないのか ~「自他変革」の発達心理学~』 より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)


部下の成長を願うなら、

あるいは誰かを育てる、
教える立場にある人は
クライアントの成長のためも、


1)圧倒的に学び、知識をつける

2)自らの考え・心象風景を言語化する訓練をする

3)意識段階を引き上げていくプロセスを歩み続ける


ことが必須だと言えるでしょう。



人を育て、気づきを与えるためには
自分自身が変わり続けること。

そのことを忘れないようにしたい。
自戒を込めて、そんなことを思った一冊でした。

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<今週の一冊>

『なぜ部下とうまくいかないのか ~「自他変革」の発達心理学~』 
(著:加藤洋平)

https://www.amazon.co.jp/dp/B01DW4YT6G/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_0VPNFbHR0ZQCA @amazonJP

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【編集後記】
11月に入りました。
11月は、カレッジ創業第3期目末です。
最後まで駆け抜けたいと思います。

いつも一緒にお仕事させていただいている皆様、
改めて感謝でございます。


  <皆様の、ご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、
皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
ご感想・ご意見は、ぜひ、こちらまで。
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