配信日時 2020/10/26 12:31

3つのレベルの「傾聴」から、自分の”聞く”スキルを考えてみる【カレッジサプリ】

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令和2年10月26日(第2440号) 


3つのレベルの「傾聴」から、自分の”聞く”スキルを考えてみる  


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話  2316字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は、2件の打ち合わせ。
その他、研修の企画や読書などでした。
また隙間時間にピアノを弾いたり。

昔、趣味として少しやっていたピアノを
1ヶ月前に電子ピアノを買ったことで再開してから、

・疲れた時に頭をからっぽにできる

・生産的な娯楽をしている感覚があって
 自尊心が高まる

・指先の感覚が鍛えられて
 タイピングの精度が高まる

など、ポジティブな効果が現れております。

生産的な息抜き、良いなと思いました。



さて、本日のお話です。

先日より、「コーチング」をテーマに、
皆様にメルマガをお届けしております。

まだまだ語りたいことがたくさんありますので、
本日も続けてまいりたいと思います。

今日のテーマは、皆様が日常やっている
「聞くスキル」について。

それでは早速参りましょう。


タイトルは、


【3つのレベルの「傾聴」から、自分の”聞くスキル”を考えてみる】


それでは、どうぞ。




■「話を聞く」こと。


誰もが日常的に行っており、
普通にできて当然だよね、

と思っている、
我々に備わっている能力です。

ただ、シンプルなことこそ、
奥が深いもの。

・歩く
・走る
・投げる

等、誰もができる基本動作を
極めたアスリートに、

”シンプルな行為の中にある
 圧倒的なレベルの違い”

を感じさせられ、
感動すら覚えたりします。



■同様に、社会的な動物である人間の
基本的な行為の1つである

・話す

といった技術にも
やはりレベルの違いがあるわけです。


落語家や芸人さんの
”話をする”技術は、
やはりレベルが違います。

今注目されるYoutuberも、
同じように「話をしている」のに、

絶妙な間や、言葉の使い方、
比喩表現や、声の抑揚など、
微細な技術を高いレベルで融合して
芸術のような雰囲気すら醸し出して、
一気に引き込まれる力があったりします。

一流のプレゼンテンターなんかも
そうでしょう。



■では、他方。

人間の基本的な行為の一つである、

・”聞く”

に関してはどうだろうか?
を考えてみたいわけです。


、、、なんとなく、
「話す」より「聞く」ほうが
簡単そうなイメージはありませんか?

黙って、うなずいて
聞いていればいい。

話すのは色々考えるけど、
聞くのはそんなに難しくない。

そう思っている人も、
少なくないのではないか、と思うわけです。


しかし、銀座の一流ホステスさんが
端麗な容姿というわけではないにも関わらず

”聞く技術を磨きに磨いて
 No1ホステスになった”
なんてエピソードもあるくらい、
実は奥が深い話だったりします。

「話す」とか「走る」に比べて、
「聞く」は静的で、あまり目立たない技能にも
思えるかもしれません。

ただ、そこには確かに、
体系化された技術があるのです。


■そんな中、まず皆様に、
最初に問うてみたい質問があります。

それは、


「自分の”聞く”レベルは
 どれくらいだろうか?」


という問いです。


、、、いかがでしょうか?

部下、家族、友人など
普段から話を”聞く”ときに、
どのようなレベルで行っているのか?


以下の「傾聴の3つのレベル」に照らし合わせて、
少し考えてみましょう。

(少し説明っぽくなりますが、
 自分はどれだろう、と内省しつつ
 考えてみてください)



■まず、「傾聴」の第一レベル。


◯レベル1「自分中心レベル」

自分のことに意識が向いている状態です。

・評価(例/彼の話をした内容は、割といい線いってるな)
・判断(例/彼女の話は、間違っている)
・解釈(例/要は、こういうこと言いたいんだろう)

等をふまえて、相手の話を
”自分目線で考える”ということです。

もっとレベル1より前の段階になると、

・自分の興味のある話だけ選択的に聞く
・うん、うん、と言いながら全く聞いていない

なんてことも。

、、、さて、皆様はいかがでしょうか。
どれくらい、この聞き方をしているでしょうか?



■そして、次は、レベル2です。


◯レベル2「相手中心レベル」

相手のことに集中し、意識が向いている状態。

・相手の話の内容
・表情の変化、体の動き
・声の調子・抑揚・スピード

など、

”相手の話を100%集中していて、
相手の感情の揺れや、躊躇などのサインを
きちんと理解している”

というレベルです。

この状態になると、周りに色々あっても、
「自分と相手だけの世界」を感じられている状態です。

自分の解釈や評価などは、
脇においている状態です。


、、、さて、こちらもいかがでしょうか?

このレベル2をやろうとするだけでも、
かなり疲れます。

そうなのです、真剣に聞くことは
実は疲れるのです。



■そして、最後はレベル3。


◯レベル3「俯瞰レベル」

自分も相手も超えて、俯瞰して
全体を見渡しているレベルです。

・言葉で表せない微細なシグナル(雰囲気、空気)
・直感、感覚

を働かせつつ、

”なんとなく相手に緊張を感じる”
”いつもと違う空気感、不安を感じる”

というような、表情にも現れづらい
微細な変化をキャッチしている状態です。

それは、相手だけではなく
自分と相手を含めた雰囲気や空気を
察知するアンテナの高さが求められます。


職人芸のようですが、
感性のアンテナを高めていくと
確かに感じられるのが不思議なレベルです。



■、、、と記載してみましたが、
いかがでしょうか?


皆様は、普段どのレベルで

”相手の話を聞く”

ということを行っているな、
と感じましたでしょうか?



■なんとなくの”聞く”で、

・相手の放っている
 言葉を「単なる音」として聞いていることと、

・相手の放つ言葉の中に含まれる
 微細な感情の揺れや真意をつかもうとすること

は、まるで違った
対話の質を作り出します。

そして、それらの積み重ねが

「理解されているという安心感」
「関係における信頼感」

を創り出すことに繋がります。


また、その”聞く姿勢”から醸し出される雰囲気は、
不思議なもので、ほぼ確実に伝わるものです。



■ということで、


【3つのレベルの「傾聴」から、自分の”聞く”スキルを考えてみる】


というお話でしたが、
いかがでしたでしょうか。



”わかる”ことは”わける”こと、

などと言われます。

聞くという技術も
このように3つのレベルにわけることで
見えることもあるのではなかろうか、

そのように思う次第です。


ぜひ、日常から頻繁に使う「聞く」スキルを
上手に使いこなせるようになりたいものですね。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

間違っていましたと認めることを恥じる必要はない。
それは、今日は昨日より賢くなったということなのだから。

アレキサンダー・ポープ(イギリスの詩人/1688-1744)

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【編集後記】
ピアノを、空き時間の息抜きにし始めてから、
タイピングの小指(enterとバックスペース)の扱いが
異様にうまくなってきました。
意外な副産物です。


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