配信日時 2020/03/22 23:34

今週の一冊『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』 【カレッジサプリ】

<20万部越えのベストセラー、やはり名著でございました>
---------------------------------------------------------------------------
皆さまの1日を5%元気にするビジネス系メルマガ『カレッジサプリ』
---------------------------------------------------------------------------
令和2年3月22日(第2223号)


今週の一冊『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』  


株式会社カレッジ 紀藤康行
---------------------------------------------------------------------------
◎本メールマガジン(カレッジサプリ) は、
 紀藤とご縁を頂きました皆さまにお送りさせていただいております。
 登録・解除は、お手数ですがページ下部よりお願いいたします。
--------------------------------------------------------------------------

(本日のお話 3786字/読了時間5分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、ひたすら読書。
またホームページの作成などでした。
ゆっくり本が読めて幸せな1日でした。



さて、早速ですが本日のお話です。

毎週日曜日は、オススメの1冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

=============================

『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』

楠木 建  (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492532706/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_PI2DEbMBJW4FZ

=============================

です。




■ずっと前から読みたい読みたいと思いながら
実は”積ん読”になっていたこの本。

おそらく、読んだことがある方は
「えっ、まだ読んでなかったの??」と思う本であり、

同時に私のように「実は積ん読でした…」
という方も(実は)たくさんいるであろう、
500ページの大作です。

ビジネス書としては異例の
20万部越えメガヒット。

読み終わったら感想としては

「いやはや、やはり名作だった!」

の一言でございます。



■この本のサブタイトルにある通り、

”優れた戦略というのは「人に思わず話したくなるストーリーである」”

と言うのが、この本で語る結論。


ただ、一言

「ストーリー大事だよね」と言うと
「確かにそれは大事だよね」といえば
それで済んでしまうのでしょうが、

ポイントは、

”ストーリーとは何たるか?”

について

アマゾン、サウスウェスト航空、
スターバックス、アスクルなど
様々な成功した企業の事例と共に、
大変、緻密に、解像度高く、教えてくれるところにあります。



■「ストーリー」という短い単語に内包された

・優れたストーリーの条件
・世の中で言われている「戦略論」との違い
・ストーリーの構成要素と優先順位

について、流れるように、
まさしく”ストーリー”として
一気に語ってくれております。

没頭するように、あっという間に読んでしまいました。

好き嫌いは、楠氏の語り口調が好きかどうかわかれるかもですが
ユーモア溢れており、とっても面白いです。



■さて、ではこの本、
どのような内容なのでしょうか。

以下、私が印象に残った内容を
私なりの解釈を加えつつ、
稚拙ながら要約させていただきます。



まず、今世の中で言われている「戦略」ですが、
これは、あくまでも合理的に分析をした結果で
ある種、「切り取った静止画」のようなものである、

と語ります。

「静止画」としての戦略とは、

SWOT分析とか、
マーケティングの4Pやら
PPMとか

(私もよくわからないのですが)
賢そうなフレームを使い、
環境分析や、自社分析をして、
合理的に「分析」したもの、と言えます。


それは、論理があって
誰にもわかりやすく、使い勝手も良い。
だから、流行っています。

でも、それらはあくまでも分析結果の「静止画」。

それらをつなぎ合わせると
合理的で確からしいのだけど
どうもパワフルな競争戦略にはならないぞ…

というわけです。
(でも、確かにそうですよね。
 合理性だけだと、なんか無機質な感じがします、、、)



■優れた戦略とは、

キレイに切揃っている
”合理的な理屈の集合体”ではなく、

『キレイに切揃っている中に、
 一見”不合理な理屈”がまざっている』もの。

でも、全部合わせるとあら不思議。

その不合理な理屈がいわゆる
「隠し味」とか「つなぎ」とか
「際立たせる存在」になっていて
模倣困難なアート的な戦略になっている…

これが「戦略」だ!というわけです。

「統合(シンセシス)される部分にこそに
 優れた戦略はあるのだ」

そう、著者は語ります。



■では、どのように「統合」のストーリーは
編み上げられていくのか?

そのステップとして
著書では詳しく語ります。


まず、そもそも、

『1,どの業界で戦うのか」

という選択。

利益が出やすい業界(製薬業界)もあれば、
そうではない業界(小売など)もある。

追い風の業界もあれば、
向かい風の業界もある。

「美味しい業界」は利益が出やすい。
でも当然、競合もたくさん参戦してくるので、
いつまでも美味しい、という事はなくなります。

例えるなら、「スポーツ」。

プロ野球選手はたくさん収入がもらえるけれども、
プロになる事はとても難しい、みたいな。

カバティはプロになれるけど(あるのかな?)
プロになっても収入は少ない(と思われる)みたいな
イメージでしょうか。

利益がでる美味しい業界は競争も激しいのです。


■そして次に、

『2、ポジションニング』

があります。

ポジショニングとは、

1)コストを安く行くのか
2)付加価値を高めていくのか
3)ニッチ分野でいくのか、

という、業界選びより
より細かい選択です。


例えば、プロ野球のイチロー。

イチローは、「プロ野球」の中でも、

・メジャーリーグを選び、
・その中でもマリナーズを選び
・かつ野手を選んだ、

と選択をしました。


■かつ、その選択の背景には、

『3、自らの能力(組織能力)』

が影響してきます。

すなわち、外からは見えづらい
真似できない文化や仕組みを含めた能力です。

イチローの例で言えば、
彼がプロ野球選手として結果を出し続けたのは
『2,ポジショニング』と合わせて

・日ごろの鍛錬、
・継続できる精神性、
・彼の身体的特徴(柔軟性、俊敏性)
・他、奥様の献身、

などがあり、当然、

「2、ポジショニング」
「3、自らの能力」

は相互に影響与え合っています。

それが、勝てる戦略に繋がります。


 ■イチローの例でも

・彼が行っているルーチン
・彼の身体能力
・彼の選んだポジショニング、というのは

全てに無駄がなく、

”抜群に重なり合っている場所で
 抜群の努力をしているからこそ
 競争優位性が生まれていた”

というのは、
感覚的に感じられることではないでしょうか。

彼がピッチャーや
ホームランバッターを狙っていたら
多分、ここまでの伝説にはなり得なかった、
とも(私は)思います。  

■でもここまでは、
まだ想像できる組み合わせで、
さほど複雑ではありません。

しかしながら、そこから先が本番。

『4、戦略ストーリー』

に入っていきます。


どのポジションを取るのか、
自らの能力は何なのか、そして
自分がどこを目指していきたいのか

そのようなパーツの
”細かい部分”が全て無駄になることがなく
一筆書きの先のように相互に影響与えあい、
相乗効果をもたらすように編み込むこと。

実際の企業では、スポーツと違い、
厳密にルールが決まっていないので
”変数”も増えてきます。

その中で、「ストーリー」を編むのです。

一石二鳥どころではなく、
一石五鳥となる、一挙手一投足が無駄にならない
「システム」を作り上げること。

それを作り出すと

”模倣困難な圧倒的な競争優位性が生まれる”

と言います。

(この「ストーリー」が一番美味しいところなのですが、、、、
 実際に著書に書いてあるサウスウエスト航空や、アマゾンや、アスクルの事例など
 ぜひご覧になっていただきたいと思います。
 ここでは書きませんが、へーっ!、となります)


■そして、最後、
優れたストーリーをえがくためには、

『5,クリティカルコア』

が大事といいます。

ショートケーキで言えば
”イチゴ”のような部分。

そしてその、”イチゴ”とは、
不思議と、その部分だけ見れば

「一見して非合理なこと」

だったりする。

つまり、

「なんでわざわざそんなめんどくさいことするわけ?」
「なんでそんな意味不明なことするの?」

と他者が真似しようと思わないものが
組み込まれている、

でも、全部を組み上げるとあら不思議。
その「謎の部分」がキモになっている、
ショートケーキの「イチゴ」になっている。

ゆえに、更に模倣困難性は高まる、と言うのです。



■そして、これらの1~5までを
絶妙に組み込む、編み込んだものが

『ストーリーとしての競争戦略』

であり、流行り廃りに負けない
10年、15年、20年と勝ち続ける源泉になる、

というのでした。



■「ストーリー」とは、もちろん最初から
全てが計算されていたわけではありません。

各企業の成功事例から  
やりながら見えてきたことも間違いなくある
というのも事実。


しかしポイントは、


”戦いが始まる前段階から
 
・自分がやりたい事はこういったことで
・自分の持つ能力はこういったもので
・戦うフィールドはここで
・あえてそのために不合理な「コレ」をやる!

という「ストーリーの骨格」を描いている”


ことは、成功した事例では皆がやっている
こともわかりました。


■ゆえに、ここから学ぶことは


【勝てるストーリーを熟考し、
 事前に想定して戦うことは、
 勝ち続ける戦略を考える上で超重要】


と言うことでしょう。




■そしてこの話は、企業だけではなく、
「個人」にも当てはまります。

つまり、”キャリア戦略”にも
応用が効く、ということです。


私もストーリーと呼べるほど
立派なものではないですが、
4コマ漫画程度のミニストーリーくらいはあるような気がします。

一つは、

”7年前から、毎日休まずに
2000号以上メールマガジンを書き続けている”

という「一見してめんどくさい不合理なこと」は
クリティカルコアでストーリーを作っています。

メルマガを通じて、

・お客様やパートナーの皆さまとの関係構築
・自分の言語化能力を鍛える習慣
・学び続ける力

につながり、それが結果として

・起業した垂直立ち上げができた
・コーチングに活きる
・営業でお客様に提供する価値の向上に繋がる

とつながり、それが「成果」になって
ぐるぐる回っている感覚はあります。

これも多分、ごく小さい単位ですが
部分的な「ストーリー」の例のようにも思っております。

(めちゃくちゃまだまだですけども、、、)


■今回の本は、
企業の競争戦略の視点から描かれていますが

皆さまの個人個人にも
当てはめることができる本。


・自分が持っている能力は何か
・自分はどの領域で戦うのか
・そしてそれを結びつけるストーリーは何なのか


こういったことを、考えているか、
ただそこにいるのか、では

5年、10年経ったときに
大いなる違いになってくることは
間違いないでしょう。

という意味で、
キャリアを考える上でも、
大変考えさせられる深い名著である

と思います。

、、、と気づいたら
めちゃくちゃ長くなってしまいました。

このあたりで終わります。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました!


=============================
<今週の一冊>

『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』

楠木 建  (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492532706/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_PI2DEbMBJW4FZ

=============================  

【編集後記】
でも、内容をまた忘れちゃうんだろうなあ。
人に意識的に語りながら、何度も上書きして
きちんと自分に落とし込みたいと思います。

◎昨日の英語学習:0、5時間
(累計179時間/目標学習時間まで221時間)
----------------------------------------------------------------------------  
【ご意見・ご感想、お待ちしています】
皆さまの、率直なご意見、ご感想、ぜひお聞かせください。
ぜひこちらからどうぞ。↓↓
https://goo.gl/forms/n7AoHT0xVK3ICcdz2
---------------------------------------------------------------------------- 
【メルマガ登録・解除について】
※メールアドレスの変更について
 ⇒「現在のメールアドレスの配信停止」→「新アドレスでの登録」にて
   ご対応お願い申し上げます。
※メルマガのご登録はこちらから
 ⇒ https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=HSfoIRnMfw
※メルマガの配信停止はこちらから
 ⇒ https://1lejend.com/stepmail/delf.php?no=HSfoIRnMfw
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
 メルマガホームページ https://www.courage-sapuri.jp/ 
 facebookページ   https://www.facebook.com/couragesapuri  
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■