<20万部越えのベストセラー、やはり名著でございました>
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令和2年3月22日(第2223号)
今週の一冊『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3786字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、ひたすら読書。
またホームページの作成などでした。
ゆっくり本が読めて幸せな1日でした。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
毎週日曜日は、オススメの1冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』
楠木 建 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492532706/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_PI2DEbMBJW4FZ
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です。
■ずっと前から読みたい読みたいと思いながら
実は”積ん読”になっていたこの本。
おそらく、読んだことがある方は
「えっ、まだ読んでなかったの??」と思う本であり、
同時に私のように「実は積ん読でした…」
という方も(実は)たくさんいるであろう、
500ページの大作です。
ビジネス書としては異例の
20万部越えメガヒット。
読み終わったら感想としては
「いやはや、やはり名作だった!」
の一言でございます。
■この本のサブタイトルにある通り、
”優れた戦略というのは「人に思わず話したくなるストーリーである」”
と言うのが、この本で語る結論。
ただ、一言
「ストーリー大事だよね」と言うと
「確かにそれは大事だよね」といえば
それで済んでしまうのでしょうが、
ポイントは、
”ストーリーとは何たるか?”
について
アマゾン、サウスウェスト航空、
スターバックス、アスクルなど
様々な成功した企業の事例と共に、
大変、緻密に、解像度高く、教えてくれるところにあります。
■「ストーリー」という短い単語に内包された
・優れたストーリーの条件
・世の中で言われている「戦略論」との違い
・ストーリーの構成要素と優先順位
について、流れるように、
まさしく”ストーリー”として
一気に語ってくれております。
没頭するように、あっという間に読んでしまいました。
好き嫌いは、楠氏の語り口調が好きかどうかわかれるかもですが
ユーモア溢れており、とっても面白いです。
■さて、ではこの本、
どのような内容なのでしょうか。
以下、私が印象に残った内容を
私なりの解釈を加えつつ、
稚拙ながら要約させていただきます。
*
まず、今世の中で言われている「戦略」ですが、
これは、あくまでも合理的に分析をした結果で
ある種、「切り取った静止画」のようなものである、
と語ります。
「静止画」としての戦略とは、
SWOT分析とか、
マーケティングの4Pやら
PPMとか
(私もよくわからないのですが)
賢そうなフレームを使い、
環境分析や、自社分析をして、
合理的に「分析」したもの、と言えます。
それは、論理があって
誰にもわかりやすく、使い勝手も良い。
だから、流行っています。
でも、それらはあくまでも分析結果の「静止画」。
それらをつなぎ合わせると
合理的で確からしいのだけど
どうもパワフルな競争戦略にはならないぞ…
というわけです。
(でも、確かにそうですよね。
合理性だけだと、なんか無機質な感じがします、、、)
■優れた戦略とは、
キレイに切揃っている
”合理的な理屈の集合体”ではなく、
『キレイに切揃っている中に、
一見”不合理な理屈”がまざっている』もの。
でも、全部合わせるとあら不思議。
その不合理な理屈がいわゆる
「隠し味」とか「つなぎ」とか
「際立たせる存在」になっていて
模倣困難なアート的な戦略になっている…
これが「戦略」だ!というわけです。
「統合(シンセシス)される部分にこそに
優れた戦略はあるのだ」
そう、著者は語ります。
■では、どのように「統合」のストーリーは
編み上げられていくのか?
そのステップとして
著書では詳しく語ります。
まず、そもそも、
『1,どの業界で戦うのか」
という選択。
利益が出やすい業界(製薬業界)もあれば、
そうではない業界(小売など)もある。
追い風の業界もあれば、
向かい風の業界もある。
「美味しい業界」は利益が出やすい。
でも当然、競合もたくさん参戦してくるので、
いつまでも美味しい、という事はなくなります。
例えるなら、「スポーツ」。
プロ野球選手はたくさん収入がもらえるけれども、
プロになる事はとても難しい、みたいな。
カバティはプロになれるけど(あるのかな?)
プロになっても収入は少ない(と思われる)みたいな
イメージでしょうか。
利益がでる美味しい業界は競争も激しいのです。
■そして次に、
『2、ポジションニング』
があります。
ポジショニングとは、
1)コストを安く行くのか
2)付加価値を高めていくのか
3)ニッチ分野でいくのか、
という、業界選びより
より細かい選択です。
例えば、プロ野球のイチロー。
イチローは、「プロ野球」の中でも、
・メジャーリーグを選び、
・その中でもマリナーズを選び
・かつ野手を選んだ、
と選択をしました。
■かつ、その選択の背景には、
『3、自らの能力(組織能力)』
が影響してきます。
すなわち、外からは見えづらい
真似できない文化や仕組みを含めた能力です。
イチローの例で言えば、
彼がプロ野球選手として結果を出し続けたのは
『2,ポジショニング』と合わせて
・日ごろの鍛錬、
・継続できる精神性、
・彼の身体的特徴(柔軟性、俊敏性)
・他、奥様の献身、
などがあり、当然、
「2、ポジショニング」
「3、自らの能力」
は相互に影響与え合っています。
それが、勝てる戦略に繋がります。
■イチローの例でも
・彼が行っているルーチン
・彼の身体能力
・彼の選んだポジショニング、というのは
全てに無駄がなく、
”抜群に重なり合っている場所で
抜群の努力をしているからこそ
競争優位性が生まれていた”
というのは、
感覚的に感じられることではないでしょうか。
彼がピッチャーや
ホームランバッターを狙っていたら
多分、ここまでの伝説にはなり得なかった、
とも(私は)思います。
■でもここまでは、
まだ想像できる組み合わせで、
さほど複雑ではありません。
しかしながら、そこから先が本番。
『4、戦略ストーリー』
に入っていきます。
どのポジションを取るのか、
自らの能力は何なのか、そして
自分がどこを目指していきたいのか
そのようなパーツの
”細かい部分”が全て無駄になることがなく
一筆書きの先のように相互に影響与えあい、
相乗効果をもたらすように編み込むこと。
実際の企業では、スポーツと違い、
厳密にルールが決まっていないので
”変数”も増えてきます。
その中で、「ストーリー」を編むのです。
一石二鳥どころではなく、
一石五鳥となる、一挙手一投足が無駄にならない
「システム」を作り上げること。
それを作り出すと
”模倣困難な圧倒的な競争優位性が生まれる”
と言います。
(この「ストーリー」が一番美味しいところなのですが、、、、
実際に著書に書いてあるサウスウエスト航空や、アマゾンや、アスクルの事例など
ぜひご覧になっていただきたいと思います。
ここでは書きませんが、へーっ!、となります)
■そして、最後、
優れたストーリーをえがくためには、
『5,クリティカルコア』
が大事といいます。
ショートケーキで言えば
”イチゴ”のような部分。
そしてその、”イチゴ”とは、
不思議と、その部分だけ見れば
「一見して非合理なこと」
だったりする。
つまり、
「なんでわざわざそんなめんどくさいことするわけ?」
「なんでそんな意味不明なことするの?」
と他者が真似しようと思わないものが
組み込まれている、
でも、全部を組み上げるとあら不思議。
その「謎の部分」がキモになっている、
ショートケーキの「イチゴ」になっている。
ゆえに、更に模倣困難性は高まる、と言うのです。
■そして、これらの1~5までを
絶妙に組み込む、編み込んだものが
『ストーリーとしての競争戦略』
であり、流行り廃りに負けない
10年、15年、20年と勝ち続ける源泉になる、
というのでした。
■「ストーリー」とは、もちろん最初から
全てが計算されていたわけではありません。
各企業の成功事例から
やりながら見えてきたことも間違いなくある
というのも事実。
しかしポイントは、
”戦いが始まる前段階から
・自分がやりたい事はこういったことで
・自分の持つ能力はこういったもので
・戦うフィールドはここで
・あえてそのために不合理な「コレ」をやる!
という「ストーリーの骨格」を描いている”
ことは、成功した事例では皆がやっている
こともわかりました。
■ゆえに、ここから学ぶことは
【勝てるストーリーを熟考し、
事前に想定して戦うことは、
勝ち続ける戦略を考える上で超重要】
と言うことでしょう。
■そしてこの話は、企業だけではなく、
「個人」にも当てはまります。
つまり、”キャリア戦略”にも
応用が効く、ということです。
私もストーリーと呼べるほど
立派なものではないですが、
4コマ漫画程度のミニストーリーくらいはあるような気がします。
一つは、
”7年前から、毎日休まずに
2000号以上メールマガジンを書き続けている”
という「一見してめんどくさい不合理なこと」は
クリティカルコアでストーリーを作っています。
メルマガを通じて、
・お客様やパートナーの皆さまとの関係構築
・自分の言語化能力を鍛える習慣
・学び続ける力
につながり、それが結果として
・起業した垂直立ち上げができた
・コーチングに活きる
・営業でお客様に提供する価値の向上に繋がる
とつながり、それが「成果」になって
ぐるぐる回っている感覚はあります。
これも多分、ごく小さい単位ですが
部分的な「ストーリー」の例のようにも思っております。
(めちゃくちゃまだまだですけども、、、)
■今回の本は、
企業の競争戦略の視点から描かれていますが
皆さまの個人個人にも
当てはめることができる本。
・自分が持っている能力は何か
・自分はどの領域で戦うのか
・そしてそれを結びつけるストーリーは何なのか
こういったことを、考えているか、
ただそこにいるのか、では
5年、10年経ったときに
大いなる違いになってくることは
間違いないでしょう。
という意味で、
キャリアを考える上でも、
大変考えさせられる深い名著である
と思います。
、、、と気づいたら
めちゃくちゃ長くなってしまいました。
このあたりで終わります。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!
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<今週の一冊>
『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』
楠木 建 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492532706/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_PI2DEbMBJW4FZ
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【編集後記】
でも、内容をまた忘れちゃうんだろうなあ。
人に意識的に語りながら、何度も上書きして
きちんと自分に落とし込みたいと思います。
◎昨日の英語学習:0、5時間
(累計179時間/目標学習時間まで221時間)
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