配信日時 2019/12/06 09:43

総合格闘技のプロから学んだ「強くなるには、努力は必要ない」というお話【カレッジサプリ】

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 令和元年12月6日(第2116号)  


総合格闘技のプロから学んだ「強くなるには、努力は必要ない」というお話  


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3969字/読了時間5分) 


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、『ATD(人材開発機構)の、
2019ジャパンカンファレンスに参加してまいりました。

人材開発における最新のトレンドや事例を聞くイベント。

今年の人材開発の大きなテーマは、
「ラーニングテクノロジー」ですね。

通信の精度がより高まった近い将来、
一堂に会して集まる集合研修は、
古い時代のものになることも想像できます。

ゆえに、

”時代に合わせた教育のあり方”

を探っていく必要があるな、と感じた次第。
(人事の皆さま、また共有させてください)


また夜は、総合格闘技のジムで、
プライベートレッスンを受講。

その後、英語の勉強でした。




さて、本日の話です。

早速ですが、本日のテーマは、


【総合格闘技のプロから学んだ「強くなるには、努力は必要ない」というお話】。


です。

それでは、どうぞ。



■昨夜、飯田橋にある

「TRI・H・STUDIO」
https://tri-hstudio.com/about.html#intro 
 
という格闘技スポーツジムで、

ジムの代表で、
総合格闘技のプロでもある先生に、
格闘技の個別レッスンを受けてきました。


なぜまたそんなところに、、、?

と思われるかもしれませんが、というのも、
私(紀藤)が月に1度やっている極真カラテにおいて、
あまりにも怪我の頻度が多すぎる、
(脱臼2回、打撲は毎回 涙)

というのが理由です。


技術や防御覚えて、
上手に戦えるようになりたい、強くなりたい、

そんな切実な思いから門を叩いたのでした。



■、、、ということで、
1年前にふとしたきっかけで、
レッスンに参加した縁があった、
プロ格闘家の先生のもとへ。


「先生、お久しぶりです」。


そんな挨拶から始まり、
いらっしゃるジムの濱村先生に、

かくかくしかじかと言うことで、
上記の空手において、もう一段強くなりたい
(=というか、怪我をしないくらい己を高めたい)

という話を、
空手の記録動画とともに見せて、
色々と意見を仰いだのでした。


濱村先生が動画を見て曰く、

「いやー、いい動画見せてもらいましたね。
 これでお酒が3杯は飲めます。
 これだけ尖った道場なかなかないですよね。
 予定調和じゃないのが、イイ!」

とのこと。


■少し余談ですが、面白い話なので、
”格闘技界の歴史”の話を少々。

昔はそもそも「格闘」という位なので、
正直、何でもありの世界が「格闘技」だったそうです。

しかしながら、
そうすると練習中も怪我が絶えなくなったり、
イタイのは嫌だし、入門者も減ってしまうため

(当然ながら、そんな痛々しいところに、
喜び勇んでくる人は多くないので、、、)

だんだんと、

多数派に支持されるフィットネス的な要素のジムや、
予定調和的な組手を行う格闘技のジムが増えていった、

とのこと。


昔は「ある先生のもとに集った有志たち」が、
ほぼルールなし、何でもありで武芸に勇んでいた、
そういった道場がいくつかあったそうです。

そして先生曰く、

「それらの中の数少ない生き残り、
 希少な道場ですね。いやー、イイですね」

とのこと。

なるほど、だから空手では怪我が絶えないのか、、、

と妙に納得しましたが、どうにもなりません。
強くなるしか、ないのです。


(やめればいいじゃん、とよく言われますが、
 「強くなること」というのは、
 自分(紀藤)が向き合っていきたい1つのテーマ。
 そして仕事に通ずる、学びにもなります)


■話を戻します。

そんな中、昨晩、
プロ格闘家としても活躍している先生から、
諸々のレッスンを受けました。

先生が、私が組手をしている動画を見て、
アドバイスをくれます。


「相手が突っ込んでくるタイプの場合、
 対処できる方としては2つしかありませんね。

 1つは、”腹を決めて、相手のペースに合わせて拳と拳で打ち合う”こと。

 ただこれは、言葉通り、
 お互いにダメージを受ける確率が高いです。

 ゆえに、怪我をしないと言う意味では、
 まず最初に、別のパターンから行うことをお勧めします。」


「その2つ目ですが、”相手を制圧する”事です。

 相手との距離が、
 中途半端なところで打たせてしまっているから、
 相手のペースになってしまうと見えました。

 相手が攻めてきたときに、
 一気に組み付いて、距離をゼロにします。

 そうすると必ず足がどこかで交差します。

 その組み方によって、
 ”相手のバランスを崩す方法”が、
 2パターンあります。これを覚えてください。

 1つ目は、外側に足をかける、
 こういうやり方で、、、、

 2つ目は、内側に崩すこういう方法で、、、」


と論理的に、

「相手の動きに対して、
 どのように立ち回るのが定石なのか」

を私に技をかけながら、
端的に教えてくれます。

空手の学びとは、
また違う「崩しの技術」。

そんな方法があったのか。
それは知らなかった、、、。

という、

「!!」

が胸の中に拡がります。


■そして先生は更に続けます。

「もう一つ。

 ジャブと、ローキックを出すときに、
 あまりにも「ジャブを当てよう」としすぎています。

 ゆえに、ローキックも決まらないし、
 そもそも打つ間合いを変えたほうがよい。

 まずは、ジャブの意識を変えることです。
 当てずに、相手にジャブをさばかせます。

 そうすると、必ず上半身に意識が行き、
 そして実際にパンチをさばかせると、
 ほぼ下半身で踏ん張ることになる。

 本当に軽い気持ちでジャブ、
 そして足をまっすぐノーモーションでローキックを出す。

 これだけで、今まで当たらなかった技も、
 決まるようになります」


とのこと。

実際、これもやると、本当にそう。

でも、プロに論理的に「知識」として、
かつ、実際に自分を巻き込んで「体験」として聞くと、
全く腹落ち感が違ってきます。

「!!」

が拡がります。

その他にも、

・右ストレート効果的に当てるための方法

・組み合ったときに相手を制圧する姿勢

・ローキックで、自分の足が痛まずに、上手にヒットさせる方法

等々、色々な技術を、
「!!」を伴って教えていただきました。


■私とほぼ同い年ながら、
格闘技の道に20年近くのプロの話は、
ものすごく説得力があります。

かつ、このジムの濱村先生。

言語化能力がたいへん高くいらっしゃり
「状況分析と、それに対応する技術を、瞬時に言葉にして説明できる」
という能力をお持ちで、感動すら覚えました。

■そんなこんなで、
あっという間に1時間が終わり、
最後に私が感想を含めて、口を開きました。

「いやー、勉強になりました。
 でも、こういった事は結局、”反復練習”するしか、
 身に付けることはできないんですよね。。。練習します!」


すると、先生から、
思いをかけない返答が来ました。

それは、


「いや、練習が必要でもないですよ。今日の話は、

 『知っているか知っていないか、ただそれだけのこと』

 ですからね。

 だって、先程、理論を教えたら、
 すぐにできたじゃないですか。

 知ってるだけで、できますよ!」


とのこと。


その言葉を聞いて、
確かにそうだよな、そういうこともあるよな、と思ったのです。

そして、その話は(話が飛ぶようですが)
自分が軸足を置いている「教育」の話にもつながる、
と気づきを得たのです。


■「知っただけでできるようになることもある」。

これは、確かに事実です。

例えば、私が扱っている”営業研修”では、

「お客様に課題のヒアリングをする」ときに、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1,他には?
2,具体的には?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

という、2つの「王道の質問」を上手に混ぜていくだけで、
課題のヒアリングが広がり、深まり、
全体を網羅的に把握することができる、

といいます。

言い方には工夫が必要ですが、
実際その通り。

知ると、できるのです。



あるいは、今流行の「1on1」とか「コーチング」の技法もそう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・今日はどんなことをテーマにしたいですか?
・その質問は、あなたにとってどんな意味があるんですか?
・ここまで話して、どうでしたか
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

という「王道の質問」がコーチングの世界にも存在します。

そしてそれは、ほとんどの場合、
「知ってさえいれば」機能するものです。


■つまり、上述の「王道の質問」も、
「格闘技の技術」も


『知っているか、知らないかの差でしかない』


ものがあるのです。

もちろん、それがエレガントに、
上手に使えるようになるためには、
反復練習があったに越した事はありませんが、

できる、できないの間にある
「大きな段差」と言うのは、やはり

『知っているか、知らないかの差』

の中にこそ、あるわけです。


■ゆえに、

「自分がこの分野で能力を高めていきたい」

と考えたとき。

最初に私たちが門を叩くべきところは、
その分野の智慧の泉にアクセスできる、

「その道での”突き抜けた人”」
「その道で”何を聞いても答えられる一流の人”」

となるのでしょう。


そして、その人を見つけたら、
その分野における

「普通の人が何年もかけてたどり着くであろう、気づきや技術」

について、徹底的に師事を受けるのです。


いや、それは秘伝だからお主には教えられない、、、
と言われたらそれまでですが、
実は聞けば、結構教えてくれるもの。


そうして、最初のスタートからぐっと飛躍させ、
分野における成長感、楽しさ、喜び、達成感などを味わい続ける。

それが、熟達・変容のための、
賢い戦略ではなかろうか、

私はそのように思います。


■あらゆることを習慣化(自分のもの)にするためには
2つの方法がある、と言われています。


1つ目は、

「繰り返し」。

もう1つは、

『インパクト』

です。

そしてこの『インパクト』とは、

「こんなやり方があったのか!!」

と言う一瞬の体験、

「!!」

が頭の上に浮かぶとき、
いわゆる「アハ体験」をしたときに、
一気に変容が起こることもあります。


そしてその「インパクト」をもたらしうるものは、

「その道の一流の方の助言」

でしょう。


そのことを理解した上で、

「師の必要性」を理解し、
「師に教えを乞いにいく」

この価値を、改めて考えてみる事が大事なのであろう、
そのように思う次第です。


皆様は、自分が趣味としていること、
あるいは、軸足をおいている分野において、
師匠と呼べる人はいますか?

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<本日の名言>
真理の大海は、すべてのものが未発見のまま、
私の前に横たわっている。

アイザック・ニュートン(イギリスの自然哲学者/1642-1727)
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【編集後記】
最近、メルマガがどんどん長くなっています。
音声入力が更に熟達してきたからでしょうか。
本当に、読んで頂いている皆さまには、感謝でございます。

◎昨日の英語学習:3時間
(カナダのワークショップ参加まであと57日)
(累計53時間/目標学習時間347時間)

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