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令和元年11月2日(第2082号)
「従業員エンゲージメント」を真に高めるならば、
そもそも「人生のエンゲージメント」はどうなのか、なる問題意識を持つこと
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2888字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
午後からは
「第12回 企業人事交流会 ~従業員エンゲージメントを考える~」
の開催でした。
合計15名の方にお集まりいただき、
平均9.7点(10点満足中)のご評価を頂きました。
ありがたい限りです。
次回は、私の英語強化月間のため、
3ヶ月後(2020年2月頃)を予定しております。
またあらためて皆様とお会いできますこと、
楽しみにしております。
*
さて、本日のお話です。
昨日「エンゲージメント」というちょっと曖昧な流行語について、
人事の皆様と、3時間ひたすら語り合いました。
その中で盛り上がった話の中で、
私が感銘を受けた話がありました。
今日はその気付きについて、
皆様に思ったところをご共有できればと思います。
タイトルは、
【「従業員エンゲージメント」を真に高めるならば、
そもそも「人生のエンゲージメント」はどうなのか、なる問題意識を持つこと】
それでは、どうぞ。
■「エンゲージメント」なる言葉。
最近、人材開発の領域では、
大変よく聞く流行語になっています。
、、、ですが、この言葉の意味を、
明確に説明できる方はどれほどいるでしょうか?
また、皆様は、
「エンゲージメント」と聞くと、
どのような印象を持たれますか?
ちなみに、答えの一つについては、
11月号のハーバードビジネスレビュー(特集『従業員エンゲージメント』)の記事によると、
以下のように説明されておりました。
“仕事に対する誇り、思い入れ、熱意である”
(ギャラップ・コンサルタント)
“従業員が企業の成功に貢献するための意欲と能力”
(ウイリス・タワーズワトソン)
“仕事に対する個人の関与と満足および熱意”
(エンゲージメントに関する論文)
、、、あれ、いっぱいあるぞ…ということで、
「色々な定義」が紹介されており、
実は明確にはよくわかりませんでした。
■「仕事」に対する熱意、とする定義もあれば
「企業の成功」に貢献するための意欲、とする定義もある。
厳密に言えば、
”仕事”と”組織”は別ものでありますから、
わざわざそれぞれの有名なコンサルティング会社が、
このように定義したという事は意味があるのでしょう。
その定義の深堀りは、
私も得意ではないので、専門家の方に任せるとして。
■ですが、気になるのは、
”この「エンゲージメント(仕事に対する熱意)」を、
どのようにしたらあげられるのか?”
ということでしょう。
これも詳しくは諸説があり、
一概には定義ができないことです。
(ちなみに、今月号のハーバードビジネスレビューによると、
1、チームの一員と本人が感じられること
2、リーダーへの信頼があること
この2つはエンゲージメントを高めるために、
重要な要件であると書かれていました。
またまた加えて、
”リーダーが信頼を高める”ための必要不可欠な条件は、
・メンバーに、何を期待しているのか明確に伝えていること
・メンバーに本人の強みを発揮する機会を与えている
ことであるそうです)
、、、と、また脱線してしまうので、
この辺の詳しい話は、色々とデータありますので
今月号のハーバードビジネスレビューを読んでみてください。
■しかしながら昨日、「企業人事交流会」にて、
15名の人事に関わる皆様と話をしたときには、
また別の話で盛り上がったのです。
私はその話がむしろ共感をいたしました。
その話というのは、
『「エンゲージメント」とは、一人ひとりが
自分の「人生のエンゲージメント」を高めようと思わなければ、
高まらないものではなかろうか?』
という議論が出たのです。
そしてこの話を私は大変深いと思い、
かつ同時に深く共感いたしました。
例えば、
こんな人がいる、と想像してみたいのです。
・自分が何をやりたいか、わかっていないし、考えたこともない
とか、
・自分の「強み」が何かもわからないし、
そもそも自分には「強み」などないと思っている
とか、
・自尊心が欠如していて、
自分の人生をより良くしていこうという意志が極めて希薄
という状況であったとしたならば。
この方が何かしらの能力を持ち、
誰かの感謝を得ることができていたら、
まだよいのでしょう。
しかし、基本的なスタンスとして、
受身で、人のせいにしがちで、
自分の人生に一生懸命でない、
「人生のエンゲージメントが高くない」
という人がいたのであれば。
■周りが強く働きかけようとしても、
湿気った薪に一生懸命火つけるようなもので、
なかなかその人の「エンゲージメント」は、
盛り上がる事は無いのではなかろうか、と思うし、
高めようとすることも、
極めて難しいことであろうと思うのです。
そしてこれは、ひとつの真実である、と思います。
■世界3000万部のベストセラー『7つの習慣』では、
長期・継続的に得たいものを得続ける(=成功する)ための、
最も大切な習慣の1つが、
「第二の習慣終わりを思い描くことから始める」
と言います。
長期的・継続的に成果を出す人は、
”自分の人生の目的を考えている”
と言うのです。
もう少し言えば、人生の目的とは、
自分は何に喜び、何がしたくて、
どのように命を使いたいのか。
このことについて考えたことがない、
答えがないという人は、
結局受け身のまま、
言われるがまま、成されるがまま
流されるままとなってしまう事は、
想像に難くありません。
(だって、自分がこれがやりたいと言う事は無いのですから。
誰かに言われたらそうかもしれない、また他の人に言われたら、
やっぱりこうかもしれないと右往左往することは目に見えています)
■結局、”自分自身で自分が盛り上げることができる”、
あるいは、”何か突付いたら燃え上がれる”というのは、
「自分自身の人生へのエンゲージメント(=熱意、意欲)」
をどれくらい持っているのかも、
影響していることではなかろうか、
と思ったのです。
そうせずに、組織から、
「チームの一員である」
「強みにフォーカスするマネジメントをする」
などしても、
(もちろん効果はあることですが)
”真の意味”でのエンゲージメントへの道のりと考えると、
パズルのピースを片側だけ見つけ、
パズルを完成させようとするようなものではなかろうか、
などとも思えるのです。
■正式な「エンゲージメント」の定義は、
それぞれ諸説あるのでしょう。
上記の「個人の人生のエンゲージメント」という話は、
すでに一般的なエンゲージメントの定義を越えているかもしれません。
しかし、『7つの習慣』でもいう、
「第2の習慣 終わりを思い描くことから始める」
(=自分の目的を考える)
ことは、やはりおいては考えられないところであると思います。
だから、より個人的な、
自分の価値観や目的、目標など、
抽象度が高いものを話すことが実は重要なのでしょう。
真の「エンゲージメント」とは
「7つの習慣」の”第2の習慣 終わりを思い描くことから始める”なくして、始まらず、
【「従業員エンゲージメント」を真に高めるならば、
そもそも「人生のエンゲージメント」はどうなのか、なる問題意識を持つこと】
だと思っております。
さて、皆様は、
「自分自身の人生のエンゲージメント」、
どれくらい高くお持ちでしょうか?
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<本日の名言>
汝は生きるため食うべきで、
食うために生きるべきではない。
キケロ(古代ローマの政治家/BC106-43)
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【編集後記】
自分の目的を持たない人は、自分の目標や目的を高らかに宣言する人に対して、
冷めた目で対応したり、その気持ちを受け取らなかったりすることがあるかと。
ゆえに、「目的意識がない(あるいは軽んじる)リーダー、マネージャー」は、
メンバーの目的意識を潰してしまう可能性があると、憤りを感じることすらあります。
人を率いる立場の人は、絶対に「目的」を考えなければならないのです。
(、、、と、私は思っています)
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