配信日時 2019/08/07 07:52

「生み出すものが少ない達成感」は、生産性の黄色信号である【カレッジサプリ】

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<本日のお話> 令和元年8月7日(第1995号)


「生み出すものが少ない達成感」は、生産性の黄色信号である  


株式会社カレッジ 代表取締役 紀藤康行

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◎本メールマガジン(カレッジサプリ)は、

*『7つの習慣』のフランクリン・コヴィー・ジャパン 正規代理店
*米Gallup社 公認ストレングスコーチ

として人材育成に関わる著者が、
7つの習慣や体験談を元にした、「人生にちょっと役立つ考え方」を通じて、

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(本日のお話 2156字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、1件のアポイント。
並びに研修の準備、作成など。

夕方からは、愛知へ移動でした。



さて、本日の話です。

昨日研修の準備をする中で、
「達成感と虚しさを同時に味わう感覚」を、
ふと覚える作業がありました。

そんな中で、

「生産性とはなにか?」
「自分がフォーカスする仕事は何か?」

というテーマでふと考えることがありましたので、
皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【「生み出すものが少ない達成感」は、生産性の黄色信号である】


それではどうぞ。


■こんな逸話を聞いたことがあります。

精神的な拷問の1つに、

「無意味なことを繰り返させる」

というものがあるそうです。


その内容とは、

・監督者が、捕虜など(拷問を受ける方)に、
 「こちらのバケツにある水を、1滴もこぼさず、もう一つのバケツに移せ。
  もしこぼしたらその場で処刑だ」という。

・拷問を受ける方は、死にたくないのでそれを忠実に実行する。

・そしてそれが終わると、
 「今、移し終わった水を、また元のバケツに戻せ」
 と監督者が命令する。

・そしてそれが終わると、
 「また、もう一つのバケツに水を戻せ」と命令する。

・これを延々と繰り返させ続ける。


…というもの。

(朝から物騒な話ですみません汗)


そして、その結末でどうなることが多いかというと、

「殺されると分かっていても、
 その作業に意味が見出せないと精神的にツラすぎてやめてしまう」

という選択を選んでしまう、と言う話でした。

(あくまでも、聞いた話ですが)


■この話から学ぶ事は、

”人は生み出すものがない無意味なコトに苦痛を感じる”

ということでしょう。

さすがに、普段こういう話はないと思いますが、
「この仕事どんな意味があるんだろう」と感じると、
確かにモチベーションが下がること、普段の仕事でもあるように思います。



■実は昨日、「研修の準備」とのことで、

”模造紙を5枚1組にしてたたむ”

ということをしておりました。

スタッフの妻も一緒に、丸まった模造紙を広げ、
たたみ、丸まらないように伸ばす。

これを2人がかりでやり、
合計80枚の模造紙を二人で約1時間かけて
折りたたんだのでした。

10枚、20枚、30枚とやるにつれ、
だんだんと効率が良くなっていき、

「こうやった超ほうが、より効率がいいね!」

なんて盛り上がっていたのですが
80枚たたみ終わり、2人が感じたことが、

『達成感と徒労感を同時に感じる』

という事が起こったのでした。


■その作業が終わった後、
2人で交わした会話が、

「この仕事、我々がやる必要があったのだろうか?」

と語り、沈黙しました。


というのも、私はその時のメインの役割は講師。

「どのように伝えるのか」という講師としての務めを、
工夫したほうが「波及効果」は高いだろうし、


妻は、デザイナー。

「模造紙折りたたむ作業」よりも、
ウェブデザイナーや、研修のテキスト等をより美しく、
見やすくすることに、彼女の能力がある。


すなわち、「生み出すものの価値」を考えたときに、

”模造紙を1時間かけて折りたたむ”

よりも、優先すべき事はあったのではなかろうか…


そんなことを考え、

「模造紙折りたたんで達成感があったけれども、
 本当に必要な達成感だったんだろうか?」

と語り合ったのでした。

そもそも畳まれている模造紙を、
ちょっと高いけど買って、
その分、自分たちの仕事をしたほうが、よかったんじゃないだろうか、と。



■思うに、仕事には、

1,自分がより貢献できる力を入れる仕事、と

2,自分が極小化すべき仕事

があると思います。

もちろん、組織のルールや、役割の中で、
そのような作業(模造紙を折りたたむ)が生まれるのは仕方ないことですし、
全体最適のために必要なこともあるのは重々承知です。

しかしながら、意識の上では、

・営業なら営業として、
・事務の方であれば事務として、
・研究開発なら研究開発だし、

その「存在対効果」が最大になる役割や仕事に力を入れること

自分が軸足を置いているところで、
いかに価値を上げるかにこそ骨身を砕くこと。

それが、

『生産性』や『価値を生み出す達成感』

のために必要なことではなかろうか、
と思ったのでした。


■これからの「AIが仕事を奪う」といいますが、

・コピーを取る、とか、
・資料をホッチキスで止めるとか、
・模造紙を折りたたむ

人が創造性を発揮しなくても良い作業に関しては、
どんどん機械がやってくれる時代になっていくはずです。

そんな中で、先の例で言えば、

”模造紙を折りたたむ”

という行為は、

確かに達成感があるのだけれども、

【「生み出すものが少ない達成感」】

であるし、それはこと自分の時間対効果を考えたときに、

「極小化していくべし」

と思うのです。


■冒頭にお伝えした、

”水をもう一つのバケツに移し替える”

という作業は、明らかなる無駄な作業。

ですから、誰もやろうと思いませんし、
やっていて苦痛を感じます。


、、、しかしながら、です。

見落としがちなのは、
そして気をつけるべきは、

「ちょっとした達成感を感じてしまう(でも生み出すものが少ない)行為」

だと思うのです。


無駄ではないけれども、生み出すものが少ない。

そんな自分がフォーカスすべきではない仕事で、
達成感を得てしまってはいないだろうか…


このようなことにアンテナを立て、
生み出す価値の最大化を目指していくこと。

そのことが「AI時代」と言われる中での、
”重要な問い”ではなかろうか、

そんなこと思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

手っ取り早く、効果的に生産性を向上させる方法は、
何を行うべきかを明らかにすることである。
そして、行う必要のない仕事をやめることである。

ピーター・ドラッカー
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<編集後記>
模造紙の作業での気づきを、
「メルマガのネタ」として昇華させることができたので、
ちょっとだけ意味が合った気がします。
ものは捉えよう、というやつでしょうか。
でも、これからは模造紙を買います。

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