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<本日のお話> 令和元年7月1日(第1958号)
学習効果を高めるためには「学びの5つのステップ」を自覚すること
株式会社カレッジ 代表取締役 紀藤康行
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(本日のお話 3356字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日日曜日は朝から、とある勉強会の「開催」。
内容からここでは詳細はお伝えできないのが残念ですが、
非常に有意義な、実りある時間でした。
また午後からは、勉強会への「参加」。
先日より私が傾倒している『戦略的資料作成講座』なるもののシリーズで、
”資料作成キャンプ”、という勉強会に参加してまいりました。
(勉強会というより、「トレーニング」と表現したほうが正しそうですが、、、)
*
さて、本日の話です。
最近よくよく思うのですが、
『”学び”には種類がある』と感じています。
そして”「今自分は、どんな種類の”学び”をしているのか?」を意識すること”は、
学習効果を高める上で、非常に重要なことであると思っています。
ということで、本日はこの話について、
学びと気づきを、皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【学習効果を高めるためには「学びの5つのステップ」を自覚すること】
それでは、どうぞ。
■『学習の5ステップ』と呼ばれる話があります。
それは、
”人が何かを学び、熟達していくプロセス”
であり、そのステップは大きく5つある、というお話です。
*
ちなみにどんな話かというと、
まず最初のステップは、『1,無自覚・無能』。
自分がそもそも、「あることをできると知らない」し、
「そもそもしようとも思っていない」状態です。
車の運転で例えるならば、
文明の外の民族が、そもそも車を見たことがないし、
ゆえに車を運転したいとも思わないし、車を運転できることもない、
というイメージでしょうか。
あるいは、新人で「営業を全くしたことない人」が、
やったことがない上、できると勘違いしている状態、もそうかもしれません。
「俺、営業とか超得意っすよ。
やったことないけど、サークルで、結構コミニケーション能力高めだったし、、、」
と勘違いしてる状態、とも言えるかもしれません。
(こんな新人がいるかは不明ですが)
■そして、2つ目のステップは『2,有自覚・無能』。
「自分があることをできないと認識している」状態です。
車の運転であれば、自動車学校に行き、
目の前に車があって、運転できるものであると知っているものの、
自分は運転の仕方を知らない、「自分にはできないと知っている状態」です。
自動車学校に通いはじめ、教官からいろいろ学ぶものの、
一向に操作ができず、覚えられず「全然運転できないなあ」と凹んでいる。
これが、「2,有自覚・無能」です。
■3つ目のステップが『3,有自覚・有能』です。
これは、「自分が意識している間ではできる」状態。
2つ目の状態から少しトレーニングすれば、この段階に至ります。
例えば、車の運転で言えば、車線変更するとき、
教習所の中で、何も障害物がないところで、
まず、ウィンカーを出して、それからサイドミラーバックミラー確認して、
それから目視し、そしてゆっくりハンドルを回して、戻す、、、
このようなステップを「意識していればできる」のです。
しかしながら、一つ一つステップを頭で考えていないとできません。
人から話しかけられたり、道路に障害物があると、混乱してできなくなる。
「意識していればできる」。
それが「3,有自覚・有能」の状態です。
仮免、あるいは免許をとったけど、まだ運転が不慣れな状態、とも言えるかもしれませんね。
■そして4つ目のステップが、『4,無自覚・有能』です。
これは「意識していなくてもできるようになっている状態」です。
先程の車の例で言えば、何度も何度も車線変更をして、
教習所内だけでなく、一般道路でも、4斜線の大きい道路でも、高速道路でも、
何度も何度も繰り返すことによって、車線変更のステップが”体に染み付いていた”状態。
この状態を「4,無自覚・有能」と言います。
もう、かなり熟達のレベル。
車で言えば、自由自在にドライブが楽しめていて、
風景を楽しめていて、歌を歌いながら運転ができたりする、、、
そんな状態といえるでしょう。
*
そして最後の5つ目。それは
”「自覚せし有能」+「自覚なき有能」のコラボレーション”です。
「自分で考えずにできる」&「それを人にも説明ができる」状態。
教えられるし、あるいは自分がうまくいかなくなった時もその理由が分析できる。
よって、再現性を持ち、どんな場面でも高いパフォーマンスが出せます。
あるいは、人に伝授できるのです。
車で言えば、「自動車学校の教官」のレベルといえるでしょう。
■、、、、と、説明が長くなってしまいましたが、
これらが『学びの5ステップ』です。
そして、学習効果を高めるためには、
この「学びの5ステップ」を意識すること、
これがとても重要だと思うのです。
思うのですが、私たちがこと「学び」など言うと、
つい思い浮かべてしまうのが、
”1つ目の「無自覚・無能」から、2つ目の「有自覚・無能」に至るプロセス”
だと思うのです。
どいういうことかというと、例えば、
「新しい本、セミナーなどで”あっと驚くテクニック”や”考え方」
に偏重しがちでは、ということなのです。
勉強会に出かけて、
「自動車を運転するこんなコツがあったのか!」
「英語学習のための、こんな効率的なヒントがあったのか!」
「こんなパワーポイントの効果的な使い方があったのか!」
という「目からウロコ」の話を聞くと、
なんだかそれだけでできるようになった気がして、
非常に満足できた、というように。
■確かに、これらの情報も大事です。
それらがインパクトがある知識・情報であれば、
その情報だけで自分が変わることももちろんあります。
意識が変われば、行動が変わり、
行動が変われば結果が変わるのですから。
ゆえに、新しい情報・知識が無駄とは言いません。
*
しかしながら、同時に思うのです。
多くの「学び」の場合、
「知ったから」と言って「できるようになる」はずはない、ということを。
むしろ、本当に大変なのは、
『”自然とできるようになる”までのプロセス』
にこそあるものです。
先述の話で言えば、
「有自覚・有能」から「無自覚・有能」に至るステップです。
■例えば、「よく使うスキル」として、
・パソコンのタッチタイピング
・スマートフォンのフリック入力
・PowerPointの効率的操作
・ショートカットキーを自由自在に扱う
・英作文を瞬間的にできる
・ロジカルシンキングの考えを即座に活用できる
・メルマガを、何も意識せずともすらすらと書けるようになる
ごときスキルは、「知ったからといってできる」わけではありません。
「無自覚・有能」に至るまでの、
”長い長い練習、稽古”が必要になってくるものです。
そしてそのためには当然、
「反復練習」が必要になります。
やっては忘れ、
やっては忘れ、
やっては忘れ…
これらのことを繰り返しながら
脳に「これは必要なことなんだよ」と刷り込んでいく。
このステップを繰り返すことによって、
自然と、脳のCPUを使うことなく発動させるスキルとなり、
その時に初めて、
【”学び”が、自分のものになった】
と言えると思うのです。
■昨日「資料作成キャンプ」という勉強会に参加しました、
と冒頭でお伝えしました。
この、「資料作成キャンプ」と言うのは、
「知識を自分の力にする」ことを目的として作られたコースだそうです。
よって、本編で学んだ知識・スキルとは別日程で、
約半日間、ひたすら「できるようになる練習」をするための場として、
設けている勉強会(トレーニング会)でした。
そして参加している私自身も、
その心づもりで望んでいました。
「この勉強会はは既に知っている知識を、
”無意識にできるようになるための学びの場”である」
そう思って参加するのです。
すると学び方が変わります。
意識としては、「新しい情報を学べなかったから不満足」とは決してならないし、
行動としては、「いかに自分に刷り込ませるか」という意識でやるため、
その学びの時間の密度が、より濃くなった、と感じたのでした。
そしてそれは、
【学習効果を高めてくれる「学びの5つのステップ」を自覚していた】
ゆえである、と思うのです。
■新しいことを知ることだけが勉強ではありません。
学習の5ステップ(5つの種類)において、
1,今自分が学びのステップのどこにいて、
2,どこを強化したいと思っているのか。
このことを意識することが、
学習効果を高めてくれるし、退屈な反復トレーニングも、
意味あることと認識させてくれるのであろう、
そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
よくこねないと、うまいパンは食べられない。
ジャン=アントワーヌ・ド・バイフ(フランスの詩人 1532-1589)
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<編集後記>
英語学習(単語を覚える、英作文)などは、
まさしくこの話だな、と思います。
退屈でも、その意味を知ると、それでいいんだと思えるので、
気が楽になります。
<皆様のご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
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