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<本日のお話> 令和元年6月15日(第1944号)
人事の皆さんと「”副業”がもたらす大きな影響」について考えてみました
株式会社カレッジ 代表取締役 紀藤康行
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(本日のお話 2756字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、1件のランチミーティング。
ならびに、午後からは企業人事交流会~多様な働き方(副業)を考える~の開催でした。
最近、新聞等でもよく聞くキーワードである一方、
実はなかなか考えることがないこのテーマですが、
よくよく考えてみると深いテーマで、密度の濃い対話の時間になりました。
またご参加頂いた皆さまのご評価も、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Q1、ご期待に対して、ご満足いただけましたか? 平均9.37点
Q2、この交流会を、同僚や他の人事の方に推薦したいと思われますか? 平均9.87点
(いずれも10点満点中)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と非常に良い結果となり、私もとても嬉しく思いました。
改めてご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!
*
また引き続き、人事の方が、学び会える場を、
今後も粛々と開催してまいりたいと思います。
7月開催については既に締め切りとさせていただきましたが、
次回、第10回も8月に開催しますので、
ご興味がある方は、是非お越しくださいませ。
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<第10回 企業人事交流会 ~人事評価制度を考える~>
◯日時:8月23日(金)18:30~21:30
◯場所:東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5階
◯対象者:企業の人材開発に関わる方(人事・部門長など)
◯詳細・お申込みはこちら
https://forms.gle/UJDQZgt2UqeYFLkd7
★また、以下のイベントも増席いたしました!★
<異業種交流会 ~第三弾:経済環境指標分析を試みる~>
◯日時:6月26日(水)19:00~22:00
◯対象者:どなたでも大丈夫です
◯詳細・お申込み:
https://forms.gle/ebnkEWTkDvVsAgjA9
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皆さまのご参加、お待ちしております!
*
さて、本日のお話です。
先日の「多様な働き方(副業)を考える」のディスカッションにおいて、
これからの組織、そして日本、
また私達、個人個人のキャリアを考える上で、
とても大切だなと思ったことがございました。
本日はそれらの気付きについて、
思うところを皆さまにご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【人事の皆さんと「”副業”がもたらす大きな影響」について考えてみました】
それでは、どうぞ。
■皆さまは、「副業・兼業」というものに、
ご興味・関心はおありでしょうか。
・本業で活躍されていて、そんな暇はない、という方もいれば、
・既に副業・兼業をしている方もいれば、
・今はしていないけど、仕事で余力を残しているから、
もっと外でも活躍をしていきたい、
・そもそも興味がない…
様々な方がいらっしゃるのでしょう。
■ちなみに、実体としては
「副業を希望している」という人は、
生産人口7500万人のうち、
「424万人」(約17人に1人)
であるそうです。
(2019年5月13日の日本経済新聞より)
20年前の97年にくらべて、
約100万人増加をしている、とのこと。
それには、
”2050年には生産人口が5000万人まで減るので
(なんと今の2/3…)労働力の確保を考えたい”
という背景の中で、注目されているものが
「副業・兼業」という考え方なのでしょう。
(という、その背景には、
「自分の面倒は自分でみましょう」
「年金など、国は面倒見きれなくなりますよ」
という大きなメッセージの伏線に見えるのは、
私だけでしょうか…)
■背景は違うものの、
・米国では、35%がフリーランスであり、
企業に属している人の36%が500ドル位上の副業からの収入を得ている
・日本の規制改革会議のテーマでも「副業・兼業」がスポットを浴びていること、
・ちなみに、日経新聞で「副業」というキーワードを打ち込むと、
かなりの記事がヒットする
…などからも、
注目度は高いキーワードなのかと思われます。
■しかし、とはいっても、
”「副業」を希望する人は17人に1人”
なのです。
気になる人は、気になる。
でもそうではない人は、別に自分のことではない。
一方、導入にあたって、色々とは話が出ていますが、
・個人のスキルアップになる
・人脈を拡げる機会になる
・力を使えていない人の可能性を拡げる
・収入源が拡がりリスクヘッジになる
というプラスの視点の一方、
・残業代どうする?
・労災どうする?
・本業サボるんじゃないの?
・能力開発に本当になるの?
というような懐疑的な話や懸念点も、
まだまだたくさんあるようです。
そして、そんな議論が盛りだくさんの、
「副業」
について、先日「企業人事交流会」にて、
様々な企業の人事の方、役員の方、現場でマネジメントする方を含め、
多くの異業種の方と話し合ってみたのでした。
■色々な意見がでたのですが、
その中で興味深かったことがあります。
それが
”「副業」がもたらすメリット・デメリット”
についての議論でした。
そしてその中で出た一つの意見として、
「副業」の大きな影響とは
『「自分が看板をもたない個人」になったときの、
”自らの評価”が晒される機会となる』
ことではないか、という話になったのでした。
■もちろん、「人材の価値」とは、
非常に判断が難しいものではありますが、
”「◯◯株式会社」という大企業にいるから評価されているが、
看板を外した時、どれほどの評価がされるのか?”
という”問い”は非常に本質的なものでしょう。
・自分が個人として、世の中に提供できる価値は?
・ゼロから勝負して、何を付加価値として生み出せるのか?
・自分が持っている”価値を生み出すリソース”とは、
一体どのようなものなのか?
、、、
こういった”問い”にさらされるのが、
もしかしたら「副業」の一つの影響ではないか、
というのです。
■おそらく、その組織で、
今の役割に真剣に向き合い、
”何かしらの「問題解決」をしてきた”
”何かしらの「付加価値」を生み出してきた”
という人であれば、
それが、
・マネジメント、人材開発、経理、
・マーケティング、研究開発、
・営業、プロアシスタント…
なんであれ、その「知見・経験そのもの」が、
まだ体験していない他社にとって、
あるいは同じような課題を持つ組織にとって、
付加価値を生み出すことになるのでしょう。
しかし反面、実は長くいるだけで、
その経験年数と、居場所に
”乗っかってきただけ”
としたならば。
それもまた真実にさらされることになるのでしょう。
■昨日参加をされていた、
とある上場企業の役員の方が、
こんな事を言っていました。
「うちのメンバーには、
”転職サイトに登録して、
自分の市場価値がどれくらいなのか考え続けるのが大事”
とよくいっています」
とのこと。
それは、会社に頼らず、
自分の市場価値を見極め続けよ、
というメッセージだそうです。
(ちなみに、その方は上場企業の役員をしつつ、
自分で会社も経営しているという「兼業」されている方でした)
しかし、本当にその通りだな、と思うのです。
■今の環境で不満があって、
そして転職して、より高い待遇で転職できるのは、
実は一握りだと言います。
きちんと、「価値」を生み出せなければ、
遅かれ早かれ、どこかで今持つ力が、
明らかになるときが、来るように思います。
そして今、「副業・兼業」が注目されている流れも、
もしかするとその一つのメッセージかもしれません。
マクロの視点でみた時に、
日本が世界に名だたる産業ができていないことも含め、
もう既に”企業が守ってくれる時代”は終わりを告げているのでしょう。
そうなったときに、
「自分の価値は自分で証明する」
という時代は、厳しいようですが、
訪れてしかるべきなのだと思います。
というよりも、本来はそれが商売というものなのでしょう。
結局、
『自分が、誰かの役に立てるかどうか』。
このことが今、問われていると思うのです。
■「副業・兼業」がどうなるかはわかりません。
ただ一つ、問われていることとしては、
『”自分が看板をもたない個人”になったとき、
自分の真の評価が試される』
ことは事実であり、
それを試す機会が多くの人に訪れつつある、
ということは、一つの現実なのだと思います。
*
今回、 企業の人事の皆さまを含め
「”副業”がもたらす、最も大きな影響」について考えてみたのですが、
その一つの答えとは、こと個人レベルでみたとき、
【自分が提供できる価値が明らかにされる】
ことであり、
「それがプラスになる人もいれば、
逆にマイナスになる人もいる」
このシンプルな事実が一つの答えでした。
ゆえに個人のキャリアとしても、
この「副業」が生み出す動きを通じて、
”自分の市場の中での価値とは何か”
これを改めて考えてみること。
あくまでも仕事という文脈で、
それだけで測れないこともままあることは承知の上ですが、
それもまた、大事なことはなかろうか、
そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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<本日の名言>
何人も永く仮面をかぶり得ず。
偽装はやがて自己の天性へ還る。
仮面を長いこと身につけることはできない。
セネカ(古代ローマの政治家・哲学者)
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<編集後記>
結局、すべての本質は「誰かの役に立ったか」「喜んでもらえたか」・
このことが”お金”というものに形を変えてやりとりされるのが商売であるのでしょう。
別に趣味でも良いと思うのです。
誰かの役に立つ、感情を揺さぶるなどできれば、
きっとそれは生きる術の一つになりうるので、
仕事の枠を超えて、一人ひとりがもっとも貢献できる形を模索すること、
それがとても大事だと、改めて思います。
そしてそんな時代に、ますます舵を切っていくのだと思います。
<皆様のご感想お待ちしています!>
ぜひ、率直なご意見など、皆さまのご感想、ぜひお聞かせください。
皆様の言葉が、力になります。
ご感想・ご意見は、ぜひ、こちらまで。↓
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