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<本日のお話> 令和元年年5月2日(第1901号)
「礼法」から学んだ、”一流は寛容である”というお話
株式会社カレッジ 代表取締役 紀藤康行
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(本日のお話 2058字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、久しぶりに15キロのランニング。
また午後からは、妻の実家の茨城へ。
ゆっくりしております。
*
さて、本日の話です。
先週より「実践 礼法プライベートレッスン」なるものを全10回で
夫婦共々、受講することを決めました。
そして第一回目のレッスンが先日あったのですが、
色々と学びがあり、とても有意義な場でした。
本日は、その「礼法」に関してのお話から、
学びと気づきを皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「礼法」から学んだ、”一流は寛容である”というお話】
それでは、どうぞ。
■皆様は「礼法(礼儀・作法)」について、
どのくらい意識していらっしゃいますでしょうか。
ちなみに私は、お恥ずかしながら、
あまりよくわかっておりません(汗)
営業を通じて、
他の諸先輩がやっている方法を真似して身につけて来ましたが、
いまだに自信がない、というのが正直なところ。
ですから、細かい所作を考えると、
不安になるわけです。
・相手のご自宅への上がり方
・座布団に座り方
・御焼香の仕方
・挨拶のときのお辞儀の仕方
・お土産を渡す時、もらい方
…などなど、大切なときほど、細かい所作が気になります。
でも「あれ、こういうとき、どうするのだろう?」と思い、
頭を抱え、なんとなく、不格好に不安そうになってしまう。
”凛”としておらず、
行動に自信もないため、ちょっと格好悪いのです。
■しかし、「礼法」には、
一つ一つの動作に意味があり、
そのことを知っている人の所作とは、迷いがないのです。
ですから、自信に溢れており、実に美しい。
よって、一生続く財産として、
「礼法」を正式に学んでみるのものいいだろうな、と思い、
夫婦共々学ぶことに決めたのでした。
(ちなみに、私が学んでいる方は「小笠原流礼法」という流派。
小笠原流は鎌倉時代にスタートし、室町時代に”将軍家付き”として確立した
「武家の作法」だとか)
■そして、昨日、その「礼法」の先生が、
レッスンが始まる際に、挨拶がてらお話をされていた内容が印象的でした。
それは、こんなお話でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちなみに、余談ですが「礼法」を学んでいくと、
いろいろな人の立ち振る舞いが気になったりします。
ですから、知っている人と、全く知らない人の違いも、
見てわかるようになるのですね。
そして、礼法として違っている人を見ると、
「違っているよ、本当はこうやるんだよ」
と思ってしまったり、時に言いたくなることがあるかもしれません。
でも、物事には「タイミング」というのがあるので、
押し付けないよう、相手を尊重してあげてくださいね。
*
例えば先日、私の話なのですが、こんな出来事がありました。
レッスンで使っている和室で掛け軸の下に、お花が飾られていました。
それは知り合いの生花の先生が毎週月曜日活けてれて
とても綺麗だったので、その写真をFacebookに投稿しました。
すると、茶道をやっている年配の知人の方から、
こんなコメントがありました。
「お軸の下にお花を置くのですね?」
と一言。
なんとなく無言のプレッシャーを感じ、
文言からも「なんかこわい…」と思いましたが、
おそらく、その方は「茶道の作法」が、頭にあったのではないかな、と思いました。
茶道の作法では、確かに
”掛け軸の下にはお花は置かない”
という決まりがあるため、
その方は、掛け軸の下にお花があることが、気になったのだと思います。
しかし、一方、別の茶道に精通されている先生からは、
また別のコメントがありました。
「そもそも、このお花は”生花”として活けられています。
ですから、茶道のお花とは違いますから、
(=茶道は野に咲く花のように、お花を自然のまま置くそう))
だから、茶道とは違うのだな、これはこれで綺麗だな、と思いましたよ」
と答えられていました。
改めてですが「礼法」とは、
あくまでも一つのやり方でしかなく、
「絶対正しいものではない」のです。
ですから、「礼法」を学んだからと言って、
・周りから浮くのに、礼法のやり方に固執するとか、
・例えば別の流派の中で(違う自分のやり方を)貫き通す
というのは、実は
「我を通したいというエゴ」になってしまうこともあります。。
「礼法」を学んで一つのやり方を知ることは、
自分の行動の迷いをなくすための1つの方法になり得ます。
しかし、
”「礼法」は相手を尊重するもの”
ということ、大切にしたいなと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というようなお話でした。
■私達の周りのビジネスのシーンでも、
”「名刺」を相手より低くからわたす”
というマナー(?)にお互いがこだわるゆえ、
「どっちがより下から名刺を渡せるか合戦」になったり、
”相手より、後にお別れの挨拶をする”
というマナー(?)にこだわるゆえ、
「最後にお辞儀をするのはどっちか合戦」になり、
どーもどーも、ではでは、ではでは、を駅前でお互い繰り返し合う、
ことが起こったりしますが、
その行為が、「どんな目的と気持ちから発現しているのか」は
改めて見つめてみる必要があるのでしょう。
■結局は、
『相手を尊重する(=相手にとって気持ちの良い行動をする)』
こと、それが「礼法という型のルーツ」であるし、
人間関係の振る舞いのルールなのでしょう。
「礼法」の先生が、若かりし頃、
人間国宝の陶芸の師範のお茶出しなどを1日するとき、
本当に柔わかく、話しかけてくれたことに感動をしました。
自分のやり方に確信を持つようになると、
「それが我になる」こともある中、それを乗り越えて、
『一流の方は寛容である』
と思った、という話が印象的でした。
やり方の軸は持っても、それを押し付けない。
相手の立場に立ち続ける。
このことを「礼法」のレッスンを通じて、
そのことを改めて大切にしたいな、と思った次第です。
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<本日の名言>
人をとがめず、
わが誠の足らざるを尋ぬべし。
西郷隆盛
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<編集後記>
ちょっとした豆知識「礼法」の意味のご紹介。
・「お辞儀」の意味は、「相手に首を差し出す」
(=敵意はないという意を示す)
・「畳の縁を踏まない」のは、
畳とは当時は偉い人の座る場所であり、
縁に気をつける習慣がないと、つまずいて”粗相”してしまう可能性(=切腹)があったため
・「畳を歩く時はすり足で歩く」のは、
当時は食事を畳の上でしていたため、ホコリを立てないようにするため
などなど、一つ一つの行動に理由があるのも、また面白いです。
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