配信日時 2019/02/16 23:58

『ウォールデン ー森で生きる』から考える「後悔なき自分の生き方」とは【未来習慣】

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<本日のお話> 平成31年2月16日(第1826号)


『ウォールデン ー森で生きる』から考える「後悔なき自分の生き方」とは  

 
株式会社カレッジ 代表取締役 紀藤康行

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(本日のお話  2867字/読了時間5分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は、先月参加した「日本アスペン研究所」のヤングエグゼクティブセミナーの同期生との懇親会でした。

プラトン、夏目漱石、ソクラテス、オルテガ等々、、、
普通の生活をしていたら読むことはなかったであろう古典を読み、
皆でディスカッションし、リーダーシップを学ぶというワークショップ。

深い価値観や考え方を語り合うと、
一気に親近感を覚えるのが不思議です。

こういった繋がり、改めて大事にしていきたいなと思う次第。

(アスペンの同期生の皆様、改めて昨日はありがとうございました!)



さて、本日の話です。

今日はそんなつながりもあり「古典」の世界を
皆様と共に探求してまいりたいと思います。

タイトルは、


【『ウォールデン ー森で生きる』から考える、「後悔なき自分の生き方」とは】


それでは、どうぞ。



■私たち人間は、

「より豊かになりたい」

という根源的な欲求を持つ生き物です。

ゆえに、あれが欲しいこれが欲しい、
豊かになったら、さらに豊かになりたい、というように、
何かしらの「欲」によって突き動かされているのでしょう。

私は贅沢品、ブランド品は興味はありませんが、
とはいえ、自分をもっと高めたいし、もっともっと影響力を増したいし、
言ってしまえば、よく思われたい、すごいと思われたい、というように
「自分の価値を感じていたい」と、率直に思います。

そして、誰しもがその気持ちを多少なりとも持っているのだと、
私は感じているのですが、皆様はいかがでしょうか。


■資本主義の象徴である「お金」もその1つ。

人間が共通に持つ価値観の1つであり、
なんだかんだで大切なこと。

ゆえに、給与やボーナスも重要ですし、
それを得る活動としての「仕事」にも心血を注ぎ、自分を豊かにしていこうとする。
そんな価値観も確かに広く存在している、と思うのです。

お金に対しての考え方や、状況や、向き合い方は、
人により大きく違うので一概には言えませんが、

”愛はお金で変えないが、お金がなければ守れない”

なんて名言をふと思い出してしまいます。


■そして「お金」が1つの価値観として、
成り立つ世の中において、

「もっと豊かになりたい」
(=お金持ちになりたい、贅沢になりたい)

という”豊かさの追求”が加速し、
暴走しているのが資本主義の1つの弊害のようにも思います。


確かに得られたものはたくさんある。

日々取り組む仕事、安定、安心、
保障、所属する仲間、便利さ。
たくさんの選択肢、抱負な娯楽。

だから、大量の情報と刺激の大きな流れの中で、
日々忙しく過ごしていることは間違いない。

全力を尽くしていることも、間違いない。


、、、しかし、同時にその喧騒の中で、
もしかすると失ってしまったモノもあるのではないか。
これは多くの現代人感じている疑問ではないでしょうか。


■そして、その疑問に関して、

古典的名著『ウォールデン 森で生きる』は、
深い洞察を投げかけてくれるのです。

この本のあらすじは以下の通り。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1945年夏、ヘンリー・ソロー(当時28歳)はウォールデン池のほとりに自分で家を建て、
2年2カ月におよぶひとり暮らしを始めた。

アメリカが経済原理に取りつかれ始めたその時代、
彼はそんな社会のあり方に疑問をもち、
人間精神の復権を目指して、社会の外側で生きることを実践した。

本書『ウォールデン』は、その実証の記録である。

引用:Amazon『ウォールデン―森で生きる』本の説明より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アメリカの作家、思想家、ナチュラリストであるヘンリー・ソロー。

この本は、アメリカの青少年の自然観や自然との接し方に
多大な影響を与え続けた書とされています。



■以下、ソローの言葉から、
印象的だった箇所を引用させていただきます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

たいていの人間は絶望を家に秘めて暮らしている。
あきらめと呼ばれる心境は根付いてしまった絶望のことだ。

街に住んでも田舎行ってもどこも絶望ずくめだから、
ミンクやマスクラットの毛皮で華やかに装って気持ちを慰めずにはいられない。

(中略)

僕が森に行ったのは、慎重に生きたかったからだ。

生活の本質的な事実だけに向き合って、
生活が教えてくれることを学び取れないかどうかを、突き止めたかったからだ。

それにいよいよ死ぬときになって、
自分が結局生きてはいなかったなどと思い知らせるのも御免だった。
僕は生活でないものは生きたくなかった。
生きるとはそれほどに尊いことだ。

(中略)

僕らの生活は細部にかまけて浪費されていく。

どうして僕らはこんなに慌ただしく、
こんなに命を無駄遣いしていければならないのか。

飢えもせぬうちから餓死するときめこんでいる。
今日の一針は明日の十針などと世間ではいうが、
その流儀で明日の十針を節約するために今日、千針も縫ってしまう。
仕事はと言うと、これと言うものは1つもない。


引用:『ウォールデン森で生きる』(著:ヘンリー・ソロー)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■確かに、人は「より良くなろう」という欲求で発展してきました。

それは大変重要なことであり、大切なことです。

日々が忙しいからといって、
皆が森に入って簡素に生きれば良いかと言えば、
そういうわけでもない。

自分と向き合って、世界を前に進めたいと思う人は、
それが彼/彼女の使命であり、もちろんそれでよいのです。

そう、あるべきだと思います。


■しかし、このソローの言葉から考えたいのは、


「私達は、”本当に自分が大切にしたい事”が何なのか、深く考えているのだろうか?」


という、本質的な問いのように思うのです。


これが「社会のルール」だから、
これが「組織のルール」だから、
これが「働くという事」だから、
そうしないと生きていけないから、、、。

そうやって思考を停止させるのは、実に簡単なのです。

周りに同調して、自分が深く考えず、
周りが語る正解にのっかることは実は”楽”なのです。


■しかし、自分が死ぬときになって、

「本当に大切なものは何だったのか」、

という”生きることの本質的な問い”を、
考えないまま突き進んできてしまった、、、

とはたと気づいてしまったら、
それは悲しいことなのかもしれません。



何が、自分にとって最も大事なのか。

あらゆるものを削ったときに、
自分が本当に大切にすべき事は何なのか。

自分の中で肩書も、会社も、経歴も、
全部削ったときに最後に残るものとは一体何なのか。


ウォールデンの語る「全てを捨てて森で生きる」という姿勢には、
そんな”生きる意味”を見つけようとする真摯な姿を、私は感じます。


■私の場合は、そんな事を考えた上で、

「やっぱり、自分が飽くなき挑戦をすることで、
 自分が向上し、人に勇気を与える生き方をしたい」

と思いますし、それこそが自分の幸せだと思うので、森へは行きません。


結局,”考えること”。
その上で選ぶことが大事なのだ、と私は思います。

皆様はいかがでしょうか?

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<本日の名言>

最も後悔されることは何か?
遠慮ばかりしていたこと、
己の本当の欲求に耳を貸さなかったこと。

ニーチェ
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<編集後記>

今日は「ストレングスコーチ」の仲間たちの同期会でした。
繋がり、ご縁のありがたさを感じます。
この縁にも報いられるよう、ますます飛ばして行きたいと思います。

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