配信日時 2018/09/02 01:11

東京ステーションホテルの歴史から考える「細部に宿る物語」を知ることが人間の厚みを深める、という話【未来習慣】

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<本日のお話> 平成30年9月1日 (第1659号)


東京ステーションホテルの歴史から考える、
「細部に宿る物語」を知ることが人間の厚みを深める、という話


株式会社カレッジ 代表取締役 紀藤康行

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(本日のお話 1707字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は、2件のアポイント。

東京大学の学生でありながら、
教育事業でのスタートアップをしている、
エデュプラの鈴木社長と情報交換など。

若い起業家の可能性と、
お互いの想いを交換しながら、
本当に興奮した時間でした。

*

またその日は、東京駅と一体化している、
「東京ステーションホテル」にて、
とある会合に参加させていただきました。

そこで、東京ステーションホテルの広報担当の方に、
ホテルにまつわるエピソードを聞かせていただいたのが,
大変刺激的かつ、感動を覚えたのでした。

学ぶことも多いと同時に、考えさせられる内容でしたので、
本日はそのお話を皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【東京ステーションホテルの歴史から考える、
「細部に宿る物語」を知ることが人間の厚みを深める、という話】。


それでは、どうぞ。



■「東京ステーションホテル」。

東京駅を使ったことがある方は、
必ずや一度は目にしたことがあるはず。

説明によると、

 ”国指定重要文化財である
 東京駅・丸の内駅舎の中に位置し、
 100年以上の歴史を誇る唯一無二の名門ホテル”

とされる、日本を代表する大変有名なホテルです。


※こんなホテルです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB



■東京駅ができたのが1914年です。

そして東京ステーションホテルができたのが1915年。

日本の中心で、

戦争を乗り越え、
東京大空襲のときも乗り越え、
日本の経済の発展を見守りながら
100年の時を刻み、今に至るこのホテル。


普通に見ているだけだと決して気づかない、
”重要なメッセージ”が、このホテルに込められている、、、

そんなお話を先日伺い、大変感動したのでした。


■ちなみに皆様は、

「東京駅のレンガ造りの建物」

を、近くでまじまじと
眺められたことはありますでしょうか?


、、、実は、このホテル、
よくよく見てみると、1・2階と、3階で、
レンガの『色』が違っています。


3階は、濃い茶色。

2階と1階は、薄い茶色になっています。


なぜそうなっているのか。

それは、
戦争の時に空襲で破壊されたものを、
その後に、修復されたからだそう。

だから色が違って見えるのです。


■そして、非常に興味深かったのが、
この、

「修復」

にまつわるエピソードを聞いたことでした。


これまた、聞かなければわからない話なのですが、
1階2階のレンガをよくよく眺めてみると、
レンガ1枚1枚をつなぐ”目地”が、
「かまぼこ」のように盛り上がる装飾がされていることが判ります。


、、、しかし、戦前、
この「かまぼこ」のような
”目地”をつくる技術があったけれど、

戦後、その技術は継承されていなかったそうです。


■戦後、空襲で壊れた東京ステーションホテルを、
修復するために、日本全国から優秀な職人が集まってくる。

しかし皆が言ったのが、


「こんな技術は知らない。できない」


という言葉だったそう。

しかし、戦前から戦後を越え、
そして国指定重要文化材として日本の真ん中にある、
この建造物を、当時の姿のまま復活させよう。

わずか”目地”というものだけれど、
それは、ある意味、

”戦前の職人から、戦後の職人への挑戦”

でもあるように思えた。

だからこそ、先人の想いと、
そのありのままの形を復元しようとし、
創業当時のままの目地の技術を習得し反映させた、、、

そんなお話を伺ったのでした。


■この話から思ったこと。

それは、おそらく、東京駅を通り過ぎる人の、
0,1%も気づかないであろう


『レンガとレンガの間の「目地」』


というごく僅かな「細部」でも、
そこには、関わる人の想いがあり、
継承されてきた歴史がある、ということ。

そして、その事実を知るだけで、
”圧倒的な深み”を感じるのだな、

ということなのでした。


■何気ない、たった一つの装飾や、

色、形、文字。


自分の身の回りにある、
様々なものは、自分が知らないだけで
誰かが何かの意図を思って”存在する”
可能性が大いにあるのです。


そして思うのですが、私達が
そのような「そのものの存在理由」を知ることは、
すなわち、


『人としての”厚み”を持つ』
(=見えないものを感じる心をもつ)

ことになる、と思ったのです。


そしてそのためには、

【細部に宿る物語】

に対して、アンテナを立てる事ができること
なのではないだろうか、

と思うのです。



■「一を聞いて十を知る」

という『論語』で有名な言葉があります。

先程の「目地」の話ではないですが、
一つのことを知り、そこに秘められている


・職人たちの紡がれてきたバトン、

・職人の誇り

・戦争の悲惨さ、

・100年という歴史の長さ、、、

・建造物の技術の深み


そんな多くのことを感じ取れるようになることは、
まさしく「一を聞いて十を知る」ような人なのでしょう。


身の回りにある一つ一つの

【細部に宿る物語】

を知ること。

それが、「厚みある魅力的な人物」になるために、
ひとつ、大切なことではなかろうか、

そんなことを、思った次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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<本日の名言>

無駄なもの、無用なもの、余計なもの、
多すぎるもの、何の役にも立たないもの、
それが私は好きだ。

ヴィクトル・ユーゴー
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<編集後記>

ということで、東京ステーションホテルの壁のレンガ。
その色の違いと目地を、見てみてくださいませ。
発見すると、へえーっと思います。


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