配信日時 2018/02/25 12:53

今週の一冊『走ることについて語るときに僕の語ること』【フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤】

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<本日のお話> 平成30年2月25日 (第1466号)

今週の一冊『走ることについて語るときに僕の語ること』

フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤

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(本日のお話 2253文字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
朝7時から皇居を20キロランニング。

また、午後からは、
プライベートで行っている私塾の打ち合わせなど。



さて、毎週日曜日は、
おすすめの1冊をご紹介する今週の1冊のコーナー。

今週の1冊は、

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『走ることについて語るときに僕の語ること』(著:村上 春樹)

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です。


■本日2月25日は「東京マラソン」ですね。


今ではすっかりおなじみになった、
都内のイベントの1つ。

ですが、

”ランニングが趣味でない人”にとっては、

何が楽しくて、わざわざ休日に、
42キロも走るのだろう、、、

という人が大半なのではないかと思います。

(まあ、こちらの感覚の方が、
 きっと多いですよね)




ちなみに、私(紀藤)もこれまで、

・フルマラソン 6回完走、
・ウルトラマラソン(100キロ)2回完走
・トライアスロン 1回完走

というようなレースに出場しています。

しかし、こういった話をするたびに
過半数の方は、顔をしかめ、

「意味がわからない」
「ほんと、ドM」

と、全く共感の空気を醸し出され、
「あなたは私とは違う」という心の声が聞こえてくる、

ということも少なくありません。


(正気を保っている人には、
 100キロ走ろうとは思わないのでしょう)



■しかしながら、
これだけたくさんの人が走るのには、
何かしらの理由があるはずです。


だから、走る走らないにかかわらず、
こう、世に問うてみたいのです。


”「走る意味」とは何か?”

”「走ること」がもたらすメリットとは何か?”


と。

、、、


しかし、

このわかりづらく、
言葉にしづらく、
理解も共感もされづらい
(そして自分でも説明できない)、

この「走る」という行為。



この「走る」という行為がもたらす

微妙な心の感覚を、
とても上手に言い現してくれている本、


それが、本日の

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『走ることについて語るときに僕の語ること』(著:村上 春樹)

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という本である、

と私は感じるのです。



■さて、著者の村上春樹氏。

彼の事は、多くの方がご存知かと思います。

日本を代表する小説家であり、

『風の歌を聴け』
『ノルウェイの森』
『1Q84』 
『海辺のカフカ』

など、多くの代表作、賞を獲得し、
文学界に影響を与えてきました。

日本の作家の中で、
ノーベル文学賞の最有力候補とされている作家です。




さて、そんな彼。

実は

「走る小説家」

です。

そして、
”趣味レベル”ではなく、
「かなりガチ」です。



30代の頃から、村上氏は
毎年必ずフルマラソンに挑戦してきており、
この著書が書かれた2006年当時、

・24回のフルマラソン完走
・1回のウルトラマラソン完走
・トライアスロン完走

などを成し遂げ、
月間300キロ走る(毎日10キロ!)
ということを続けてきました。

普通に考えたら、
あの仕事をこなしながら、
クレイジーとしか言いようがありません。

(失礼)



しかし、この本を読めばわかりますが、
彼(村上春樹氏)にとって、


”「走ること」は「生きること」である”


そう感じさせられるのです。



■村上氏は言います。


『「走る」という行為を媒介にして、
  自分がこの四半世紀ばかりを小説家として、
  また一人の「どこにでもいる人間」として、
  どのように生きてきたのか、自分なりに整理してみたかった』

と。



”「走る」とは、自分にとってどういう意味を持つのか”

これを
一流の小説家ならではの、

・繊細な心の動きを言い得た比喩
・美しく、情景が浮かぶような言葉

を媒介としてイメージが、
我々普通の人にも、カラーで浮かぶように
表現してくれています。


そして、それは単なるエッセイを超えて、
多くの”共感”と”気づき”をもたらしてくれます。



■この本を読めば、


「走る人」にとっては、

・なぜ自分が走るのか、
・走ることで得られている形なきもの

について、

「そう、それが言いたかった!」、
「言い得て妙だ」

と思わず口にしたくなるような、
共感あふれる時間、頭を整理する機会になるのでは、

と思いますし


また、

「走らない人」にとっても、

・”走ること”がもたらすメリット
・なぜ走る人は走るのか

という、自分が知らない、
新しい視点を与えてくれる機会になり、
(そして、もしかしたら走りたくなるかも)
しれません。



■私は読んで、

「走ること」

という単純な行為に
”生きる姿勢”が凝縮されているように思いました。


最後に、著書から、
彼が「走ること」について述べた、
一節をご紹介したいと思います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日々走る事は僕にとっての生命線のようなもので、
忙しいからといって手を抜いたり、やめたりするわけにはいかない。
もし忙しいからと言うだけで走るのをやめたら、
まちがいなく一生走れなくなってしまう。

走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、
走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱい分はあるからだ。

僕らに出来るのは、その
「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。
暇を見つけては、せっせとくまなく磨き続けること。


引用:『走ることについて語るときに僕の語ること』(著:村上春樹より)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今日、東京マラソンで走るランナーの皆様も、
きっと、それぞれのチャレンジを抱えて、
走っているのだろう、と思います。

多くのランナーの、健闘を祈ります!



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。


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<今週の一冊>

『走ることについて語るときに僕の語ること』(著:村上 春樹)

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<編集後記>

今年、新たなチャレンジとして、
7月に津軽にて、188キロマラソンに出ます。
新しい世界が見えそうで、楽しみ。


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* 紀藤 康行*

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