配信日時 2017/12/21 09:58

心の冷たさからでなく、深い愛情に基づいた厳しさを【フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤】

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<本日のお話> 平成29年12月21日 (第1406号)

心の冷たさからでなく、深い愛情に基づいた厳しさを

フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤

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(本日のお話 2253文字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、愛知にて「7つの習慣」の
次世代リーダー向けの研修の最終日でした。

約半年間にわたり、合計5日間、
毎月1回ずつ、全国からリーダーの方が集まり、
「7つの習慣」を継続的に学ぶ、

そして”人間力”を高めていこう、
そんなプロジェクト。


昨日で最後になったのですが、
皆様のワークセッションを見ながら、
非常に感銘を受けることがありました。

本日は、そのお話について、
皆様にご共有させていただくとともに、
思うところをお伝えできればと思います。


タイトルは、


【心の冷たさからでなく、深い愛情に基づいた厳しさを】。


それでは、どうぞ。



■先日のワークセッションの中で、
「7つの習慣」の中の、

”第6の習慣 シナジーを創り出す”

について語り合う場面がありました。



ちなみに

”第6の習慣 シナジーを創り出す”

というのは、


『違う考え、能力を持つ人が、協力・協働し合い、
 ”1+1=3以上”となるような状態』

のことを言います。



「シナジーを生みましょう」
「違いを尊重しましょう」

というのは簡単なのですが、
実際考えてみると、なかなか難しい。


”あっちを立てれば、こっちが立たず”

となり、双方が本当に満足できることは、
簡単ではないようです。。。


だから、よくあるケースとしても、

・「現場のルール」が大事、
 「管理部門のルール」は後回し(逆もしかり)

とか、

・「意見を言ってこい」という上司、
 「意見を言っても変わらない」という部下、
  そして、現状維持が続く職場

など、

「シナジー」よりも、
「対立」「混沌」となってしまうことのほうが、
はるかに多いのかもしれません。

(私も思い当たり過ぎて、胸が痛いです、、、)



■そんな「シナジー」について、
先日のリーダーシップ研修では、


”会社の、「すれ違い」の生々しいケース”


について話し合ったのでした。


皆で車座になって、椅子に座り、
20人くらいで話をする、、、。

その中には、上司もいれば、部下もいます。

参加者の皆様はまだ若い方もいて、
30前後の方がリーダーとなっています。

そして勢いある急成長中の人材ビジネスの会社。


そんな環境で、彼ら、彼女らが、
対話をする中で、印象的だったシーンが、


『本音を、容赦なくぶつけ合っている』


その光景が、とても印象的だったのでした。



■たとえば、あるリーダーからのこんな言葉。


「◯◯(名前)さ、本当に何思っているか、言えよ」

「俺は本気で仕事してるんだよ、だから言うんだよ」

「ちゃんと考えを練って、準備してから会議に来ないとダメだよ」

、、、


見る人にとっては、
普通と言えば普通の話だと思います。

しかしながら、
こういったことを、正面から、
堂々と言えないことも、多々あると思うのです。


実際のところ、

・自分が「本気」で仕事をしていると堂々と言う

・だから、部下にも率直に、厳しく言う

・信頼しているからこそ「本音」を迫る


このような、

『愛ある厳しさ』

を持つということ、

これは「覚悟」が伴うことであり、
だからこそ、素晴らしいことである、
と思うのです。



■これは個人的な意見ですが、

今は、パワハラだ、セクハラだ、
雇用主より、雇用される側を守ろう

そのように、
弱い立場を守り”すぎる”傾向が、
あるのではないか、と時として感じるのです。


もちろん、
本当に無慈悲な冷たさとか、
相手を意図的に傷つけてやろう、
などということは、断じていけません。


しかし、そこに隠れて、
そもそも、”ぶつかり合う”こと、
”相手の心に迫ること”というのが、少なくなっている、、、

そんな気もするのです。



■『愛ある厳しさ』

というのは、人の心を動かし、
そして相手の人生の航路を変えうるものです。


先日の会社の上司、部下の関係には、そんな

「愛ある厳しさ」
「愛あるぶつかり合い」
「愛ある本音の対話」

がある、そう感じました。


先日読んだ書籍、

『孫正義 リーダーのための意思決定の極意 (光文社新書)』
(ソフトバンクアカデミア特別講義 著)
 http://amzn.asia/4letRSw

には、こんな話が紹介されていました。


(以下、引用です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『厳』 ~仁愛を持った鬼となる~


――「泣いて馬謖を斬る」そんな厳しさのことです。

”泣いて馬謖を斬る”
(「三国志」の故事で諸葛亮孔明が、軍の規律を守るために愛弟子の馬謖を処刑したという逸話)。
そういうことですね。

仁愛があって、本当に深い愛情があって、はじめてできることです。
心の冷たさからくる厳しさでは部下はついてこない。
何千人、何万人、何十万人という部下はついてこない。

むちゃくちゃに厳しくても、ぼろくそに言われても、
あの人は心の底に誰にも負けない愛情がある、
そういう人だったら部下はついていくし、部下を鍛える、組織を鍛えることができる。

当のリーダーになるためには、時として鬼になれ、強烈な鬼となれ、ということです。
自分自身に対しても、一番信頼する部下に対しても鬼にならなくてはいけない。
ただしそれは、心底から相手を愛していると思えるときだけです。
そうでないと、部下はついてこない。

また、いつもいい人と言われる、鬼になれない、
これでは組織はもたない。組織がだらけてしまう。
真のリーダーたる者、やはりメリハリが大事なんです。


引用:『孫正義 リーダーのための意思決定の極意 (光文社新書)』
   (ソフトバンクアカデミア特別講義 著)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■「シナジーを創り出そう」、

そう口に出すことは簡単です。


でも、根本は、結局人の、
”心と心の繋がり”だと思います。

それがなければ、何も生まれようがない。


親の如き愛を持った厳しさは、
本当に人を、環境を変えることができる、

そう、思います。


だからこそ、


【心の冷たさからでなく、深い愛情に基づいた厳しさを】、


そのことを大切にしたい、

そのように深く思う次第です。


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【本日の名言】


人が天から心を授かっているのは、
人を愛するためである。

ニコラ・ボアロー

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<編集後記>

自らを守ると、愛ある厳しさは生まれない、とも思います。
これを普通に出来る人は、本当にスゴイな、と最近よくよく思います。

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