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<本日のお話> 平成29年12月21日 (第1406号)
心の冷たさからでなく、深い愛情に基づいた厳しさを
フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤
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(本日のお話 2253文字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、愛知にて「7つの習慣」の
次世代リーダー向けの研修の最終日でした。
約半年間にわたり、合計5日間、
毎月1回ずつ、全国からリーダーの方が集まり、
「7つの習慣」を継続的に学ぶ、
そして”人間力”を高めていこう、
そんなプロジェクト。
昨日で最後になったのですが、
皆様のワークセッションを見ながら、
非常に感銘を受けることがありました。
本日は、そのお話について、
皆様にご共有させていただくとともに、
思うところをお伝えできればと思います。
タイトルは、
【心の冷たさからでなく、深い愛情に基づいた厳しさを】。
それでは、どうぞ。
■先日のワークセッションの中で、
「7つの習慣」の中の、
”第6の習慣 シナジーを創り出す”
について語り合う場面がありました。
ちなみに
”第6の習慣 シナジーを創り出す”
というのは、
『違う考え、能力を持つ人が、協力・協働し合い、
”1+1=3以上”となるような状態』
のことを言います。
「シナジーを生みましょう」
「違いを尊重しましょう」
というのは簡単なのですが、
実際考えてみると、なかなか難しい。
”あっちを立てれば、こっちが立たず”
となり、双方が本当に満足できることは、
簡単ではないようです。。。
だから、よくあるケースとしても、
・「現場のルール」が大事、
「管理部門のルール」は後回し(逆もしかり)
とか、
・「意見を言ってこい」という上司、
「意見を言っても変わらない」という部下、
そして、現状維持が続く職場
など、
「シナジー」よりも、
「対立」「混沌」となってしまうことのほうが、
はるかに多いのかもしれません。
(私も思い当たり過ぎて、胸が痛いです、、、)
■そんな「シナジー」について、
先日のリーダーシップ研修では、
”会社の、「すれ違い」の生々しいケース”
について話し合ったのでした。
皆で車座になって、椅子に座り、
20人くらいで話をする、、、。
その中には、上司もいれば、部下もいます。
参加者の皆様はまだ若い方もいて、
30前後の方がリーダーとなっています。
そして勢いある急成長中の人材ビジネスの会社。
そんな環境で、彼ら、彼女らが、
対話をする中で、印象的だったシーンが、
『本音を、容赦なくぶつけ合っている』
その光景が、とても印象的だったのでした。
■たとえば、あるリーダーからのこんな言葉。
「◯◯(名前)さ、本当に何思っているか、言えよ」
「俺は本気で仕事してるんだよ、だから言うんだよ」
「ちゃんと考えを練って、準備してから会議に来ないとダメだよ」
、、、
見る人にとっては、
普通と言えば普通の話だと思います。
しかしながら、
こういったことを、正面から、
堂々と言えないことも、多々あると思うのです。
実際のところ、
・自分が「本気」で仕事をしていると堂々と言う
・だから、部下にも率直に、厳しく言う
・信頼しているからこそ「本音」を迫る
このような、
『愛ある厳しさ』
を持つということ、
これは「覚悟」が伴うことであり、
だからこそ、素晴らしいことである、
と思うのです。
■これは個人的な意見ですが、
今は、パワハラだ、セクハラだ、
雇用主より、雇用される側を守ろう
そのように、
弱い立場を守り”すぎる”傾向が、
あるのではないか、と時として感じるのです。
もちろん、
本当に無慈悲な冷たさとか、
相手を意図的に傷つけてやろう、
などということは、断じていけません。
しかし、そこに隠れて、
そもそも、”ぶつかり合う”こと、
”相手の心に迫ること”というのが、少なくなっている、、、
そんな気もするのです。
■『愛ある厳しさ』
というのは、人の心を動かし、
そして相手の人生の航路を変えうるものです。
先日の会社の上司、部下の関係には、そんな
「愛ある厳しさ」
「愛あるぶつかり合い」
「愛ある本音の対話」
がある、そう感じました。
先日読んだ書籍、
『孫正義 リーダーのための意思決定の極意 (光文社新書)』
(ソフトバンクアカデミア特別講義 著)
http://amzn.asia/4letRSw
には、こんな話が紹介されていました。
(以下、引用です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『厳』 ~仁愛を持った鬼となる~
――「泣いて馬謖を斬る」そんな厳しさのことです。
”泣いて馬謖を斬る”
(「三国志」の故事で諸葛亮孔明が、軍の規律を守るために愛弟子の馬謖を処刑したという逸話)。
そういうことですね。
仁愛があって、本当に深い愛情があって、はじめてできることです。
心の冷たさからくる厳しさでは部下はついてこない。
何千人、何万人、何十万人という部下はついてこない。
むちゃくちゃに厳しくても、ぼろくそに言われても、
あの人は心の底に誰にも負けない愛情がある、
そういう人だったら部下はついていくし、部下を鍛える、組織を鍛えることができる。
当のリーダーになるためには、時として鬼になれ、強烈な鬼となれ、ということです。
自分自身に対しても、一番信頼する部下に対しても鬼にならなくてはいけない。
ただしそれは、心底から相手を愛していると思えるときだけです。
そうでないと、部下はついてこない。
また、いつもいい人と言われる、鬼になれない、
これでは組織はもたない。組織がだらけてしまう。
真のリーダーたる者、やはりメリハリが大事なんです。
引用:『孫正義 リーダーのための意思決定の極意 (光文社新書)』
(ソフトバンクアカデミア特別講義 著)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■「シナジーを創り出そう」、
そう口に出すことは簡単です。
でも、根本は、結局人の、
”心と心の繋がり”だと思います。
それがなければ、何も生まれようがない。
親の如き愛を持った厳しさは、
本当に人を、環境を変えることができる、
そう、思います。
だからこそ、
【心の冷たさからでなく、深い愛情に基づいた厳しさを】、
そのことを大切にしたい、
そのように深く思う次第です。
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【本日の名言】
人が天から心を授かっているのは、
人を愛するためである。
ニコラ・ボアロー
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<編集後記>
自らを守ると、愛ある厳しさは生まれない、とも思います。
これを普通に出来る人は、本当にスゴイな、と最近よくよく思います。
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