配信日時 2017/11/30 09:44

「欠乏」マネジメント【フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤】

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<本日のお話> 平成29年11月30日 (第1385号)

「欠乏」マネジメント

フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤

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(本日のお話 1754文字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

夜は、少し早く帰ることができため、
体を動かしたくなり、テニススクールへ。
やはり、運動すると元気になります。

体と心は繋がっているな、と運動するたび思います。



さて、本日のお話です。

先日、テレビで”教育経済学者”と称される、
中室牧子教授がある番組に出演されていました。


(ちなみに中室牧子氏は、
 『「学力」の経済学』 http://amzn.asia/gHdfUWv
 という、20万部以上売れたベストセラーを書かれました。
 
 この本も非常に「なるほど!」と思わされます。
 特にお父さんお母さんには、ご一読をお勧めいたします。)


そんな中室氏が、

”「欠乏」の経済学”

なる話されており、
その話が大変納得するものでした。

現代の私たちに必要な話だな、とも感じたので、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「欠乏」マネジメント】。


それでは、どうぞ。



■「欠乏」。

あまりプラスのイメージない、この言葉。

しかし、経済学的に言えば、この
”「欠乏」が生み出すメリット”
なるものが、証明されているそうです。


そのメリットとは、一言で言えば、

『集中ボーナス』

である、とのこと。


読んで字のごとく、
”「集中」することで「ボーナス(=高い成果)」を生み出せる”
ということです。



「足りない」状態は、
すべからく集中力を生み出します。

例えば、

・締め切りまで、時間が「ない」

・使えるお金が、これしか「ない」

・最後の試合、あとシュート一本しかうて「ない」

、、、

こういった状態は、
「それしか見えない」という、
”他を一切排除した集中モード”に、
没入させる作用があることがわかっています。



だから、ある意味、

「”欠乏”があることで、
 通常よりも、高いパフォーマンスを出せる。
 では、”欠乏”を歓迎すればよいじゃないか」

とも思えるわけです。


締め切りをじゃんじゃん作って、
時間を、お金を、チャンスをどんどん限定して、
意図的に「欠乏」状態を作れば良い。


そうすれば、

”「欠乏」によって高いパフォーマンス」
 を生み出せる。ラッキー!”

となる。

これもまた一つの答えです。



■しかし、話には続きがあります。


この「欠乏」による
『集中ボーナス』は、
”代償”も同時に生み出すのです。


それは、

「目の前のことだけに集中すると、 
 ”それ以外のことが、全く疎かになる”」

ことが、すべからく起こる、ということ。

例えば、
”今の仕事で締め切りまで時間が”ない”。とします。

つまり、「欠乏」状態です。

このときには『集中ボーナス』働き、
ものすごい集中力で、仕事を進めることができます。


しかし、この『集中ボーナス』を多用すると、
そのことしか見えなくなる。

だから、例えば、

・友人との人間関係
・家族との時間
・自らの健康
・新しい学びのための投資の時間

、、、

などが、必ず疎かになる。


そして、そんな「集中」状態にハマリ続け、
1年も2年も、ある時、妻(夫)が、

「あなたは私と子供のことを、全然考えていない。
 もう、耐えられない」

みたいな話になったり、


「何だか体がだるいと思ったら、
 体に重大な病が見つかった(健康診断を怠っていた、、、)」

というような話になったり・

そんなことが、
起こってしまったりする。


■緊急なことに対処し、
そのことに没頭しているときは、
ある意味、気持ちがいいものです。

まるでジェットコースターのような、
興奮と、集中力と、充実感などを
感じることができるもの。


しかし、目の前の出てきた、
モグラしか見えない状態が続くと、
やはり成果は限定的になるとも感じます。


高い成果を”出し続けよう”とするのであれば、
没頭するだけでなく、広く俯瞰する目も必要です。


そしてそのためには、

『緊急じゃないけど、重要なこと』(=第二領域)

を意識し、時間を使うことが必要です。


「欠乏」を感じ、
仕事に没頭する時期も大事だけれど、

・友人との人間関係
・家族との信頼関係
・健康のメンテナンス
・より高い視野を持つための学習

これらも、とても大事だと思うのです。

このバランスがあってこそ、
人は、人らしく生きていける、

私はそう思います。



■バランスが大事です。


「欠乏」が生み出す、
集中力(メリット)。

「欠乏」が生み出す、視野狭窄とも言える、
”それしか見えない”症候群(デメリット)。


それらの、メリット、デメリットを把握した上で、


”【「欠乏」マネジメント】を心がける”


こと、このジェットコースターのような
スピードの速い現代だからこそ大切な考えだと、
改めて思う次第です。


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【本日の名言】


自己を失うという最大の危機が、
世間ではまるでなにごともないかのように
静かに行われる。

セーレン・キェルケゴール

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<編集後記>

ちなみに、「欠乏」が生み出す、
”集中しているけど、周りが見えない状態”を
「欠乏の経済学」では、『トンネリング』というそうです。

トンネルの中に入った時、
”出口以外は見えない(出口以外は真っ暗)な状態”になることから、
そういうらしいです。参考までに。

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