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<本日のお話> 平成29年8月4日 (第1268号)
人が”己の殻“を破るためは、「啐啄(そったく)同時」が重要である、という話
フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤
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(今日のお話 2332字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は電話会議を含め、4件のアポイント。
ならびに7つの習慣のプログラム説明会の開催などでした。
(お越しいただきましたY様、ありがとうございました!
ようやくご挨拶できて、嬉しかったです。
今後ともよろしくお願いいたします。)
*
さて、早速ですが、本日のお話です。
今、絶賛ハマっている小説が
『竜馬がゆく』(著 司馬遼太郎)なのですが、
それに関連する形で、今週の頭に、
ペリーが来航した静岡県の「下田港」に行ってまいりました。
・開国記念館
・吉田松陰 監禁の地
・坂本龍馬飛翔の地(脱藩が免罪となったお寺)
などなどを巡り、
明治維新の知らない側面に触れました。
今日は、その中で、
特に心動かされたことについて
ご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
「吉田松陰の手紙から、”生きるとは何か?”を考える」。
それでは、どうぞ。
■静岡県の下田港。
ここは、1850年頃、
まだ日本が鎖国であったときに、
アメリカから「黒船」がやってきた場所。
当時は、ものすごい大きさの黒船を見て、
こんな歌が流行ったそうですね。
『泰平の眠りを冷ます上喜撰(じょうきせん)
たった四杯で夜も眠れず。
上喜撰は当時の流行っていたお茶のこと。
飲みすぎると(おそらくカフェインで)眠れないよね、
という生理現象を、
”未知の黒船(蒸気船)が
四隻(当時は、よんはい、と呼んでいた)
が来たことでで、恐れおののき、夜も眠れなかった”
という人々の不安にかけて、
描いた歌ですね。
ずっと続くと思った平安が、
一方的に、突如終わりを告げられる時、
「恐れる」「否定する」
などの感情を通じて、
慌てふためく様子は、もしかすると
今も昔も変わらないのかもしれません。
■さて、そんな世の中で、
幕末の明治維新の志士達に
大きな影響を与えた有名な人物、
「吉田松陰」がいます。
彼はこの「黒船」がやってきたとき、
下田港から弟子を連れ、ボードに乗り、
なんと、この黒船に乗り込もうとします。
もちろん、当時は、
そんなことをすれば、当然捕まります。
しかしそのリスクを顧みず、
その向学心、好奇心、愛国心などを抱え、
船に乗り込んでいったのでした。
結果、黒船に乗り込めたものの、
海外まで連れて行ってもらえることはなく、
港へ送り返され、そしてその罪から、
下田港のそばの、とある場所に監禁されたのでした。
■そして、先日、
私と妻でその場所にいったのですが、
そこに吉田松陰が、その後、
安政の大獄にて処刑されるときの、
弟子達への手紙が紹介されていました。
それが「生き様とは何か?」を
考えさせられるもので、
思わず、しばらく立ち止まってしまいました。
以下、その内容の要約です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「留魂録」(抜粋訳)吉田松陰
今日、死を前にして心安らかであるのは、
春夏秋冬の循環を考えたことによる。
春に種をまき、夏に苗を植え、
秋に刈り取り、冬に蓄える。
秋、冬になると、人皆その俊の収穫を喜び、
酒を作り、甘酒を作り、村に野に歓声が湧き上がる。
秋の収穫時に、その年の労働が終わったことを
悲しむ者がいるとは聞いたことがない。
私は30歳で生を終わる。
事を一つも成し遂げずに死ぬことは、
育てた穀物が花を咲かせず、実をつけなかったことに似て、
惜しむべきことかもしれない。
だが、私自身についていえば、
花咲ざかりの時を迎えたのだから、
必ずしも悲しむべきことではない。
十歳で死ぬものは、
十歳の中におのずからの四季がある。
二十はおのずから二十の四季が。
三十はおのずから三十の四季が。
五十、百はおのずから五十、百の四季がある。
(中略)
同士の中に、私のささやかな心を憐れみ、
その心を受け継いでやろうとする人がいたなら
それはまかれた種子が絶えず、
年々実るのと同じで、実りを迎えたこの年を恥じることはない。
同志諸君よ、このことをよく考えて欲しい。
引用:下田開国記念館 資料より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■これを読んだとき、
30歳にて、この言葉を言い切れること、
その「生き様」に、
唸らさられるばかりでした。
今は、豊かな世の中になり、
医療と安全も
食べ物も趣味も娯楽も、
何もかもあって当然、
と言える世の中になりました。
自分が頑張らなくとも、世界は回るし、
その恩恵もある程度、享受することはできる。
だから、
「なんとなく人生を生きる」
という人も、当時に比べて
増えているのかもしれません。
もちろん、それが悪い、
というわけではないのです。
ただ、同時に思うのが、
先述の留魂録にて、吉田松陰が語ったような、
”事を一つも成し遂げずに死ぬことは、
育てた穀物が花を咲かせず、実をつけなかったことに似て、
惜しむべきことかもしれない。”
というようなことは、
私に関して言えば、
とても共感するところがあるのです。
■一つひとつの人生に、
そんなに大きな意味は、
もしかしたらないのかもしれません。
しかし、やはり、
「自分の生」が終わりを迎える時に、
”私自身についていえば、
花咲ざかりの時を迎えたのだから、
必ずしも悲しむべきことではない”
と吉田松陰が言ったような
人生を全うできたら、
幸せなことではなかろうか、
そんなことを思ったのでした。
「花ざかり」を迎え、
次世代に「種子」を残せる。
そして、何歳で終わりを迎えようとも、
心からその人生について納得ができる。
そんな人生を送りたいものだな、、、
と下田開国記念館にて、
吉田松陰の手紙を読み、思ったのでした。
ということで、
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自らが、どんな花を咲かせ、種子を残せたのかを考える
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とても大切な問いではないか、
そんなことを感じた次第です。
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【本日の名言】
死して不朽の見込みあれば、いつでも死すべし
生きて大業の見込みあれば、いつでも生くべし
吉田松陰
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<編集後記>
非常に考えさせられます。
もっと攻めていかないといけないなあ、
と思いつつ、歴史に嵌っている今日このごろ。
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* 紀藤 康行*
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