配信日時 2017/08/03 08:44

人が”己の殻“を破るためは、「啐啄(そったく)同時」が重要である、という話【フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤】

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<本日のお話> 平成29年8月3日 (第1267号)

人が”己の殻“を破るためは、「啐啄(そったく)同時」が重要である、という話

フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤

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(今日のお話 2056字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は一件のアポイント。
ならびに、電話会議、ミーティングなど。

夜は、プライベートでの最も力を入れている活動
「サムライ塾」という学びの場の、採用面談でした。



さて、本日の話です。

最近つくづく思うのが、
やっぱり私のライフワークは、
「教育しかないな」と感じます。

人が、新しい知識や考え方を得て、
持っている可能性を発揮できるということは、
本当に素晴らしいことだなぁ、と思うし、

何よりも私自身が、
ウルトラマラソン、トライアスロン、
英語(これはまだまだですが、、、)
歴史へなどの苦手な教養、などなどを学び、

知識を得て、世界が広がる感覚が
たまらなく気持ちが良い、と感じるから。


そしてその活動の一環として行っている
「サムライ塾」の活動で、昨日、採用面談を通じて、
思うところがありました。

今日は、その気づきについて、
みなさまご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


「人が”己の殻“を破るためは、
 ”啐啄(そったく)同時”が重要である、という話」。


それでは、どうぞ。


■人は、“自分の力”で立ち、
運命を切り開かねばならない。

と同時に、

“誰かのサポート”がなくては、
生きていけないし、
伸びることもできない。


この2つの言葉は、
一見相反するようですが、
どちらも重要な“成長の要素”です。


人が、その人の可能性を発現するためには、
もちろん「自力」があってこそ。

でも、「他力」があってこそ、
その成長が後押しされ、実現される。

このことは、 
有名選手とコーチの関係などから見ても、
1つの事実ではなかろうかと思います。


■さて、こんな
「自力」と「他力」の関係について、


『啐啄同時』(そったくどうじ)


という言葉があります。
 

この言葉の意味は、辞書で調べると


“啐啄同時 = 何かをするのに絶妙なタイミングを指す表現。“


と書かれています。

そして、その語源は禅の言葉であり、
以下のような由来がある、と言われます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『啐啄同時』(そったくどうじ)


「そつ」は雛が内側からたまごのからをつつくこと。
「たく」は親鳥が外側からからをつつくことを言います。

ひなは自分のくちばしでたまごの殻をつつき、生まれてきます。
少しずつ時間をかけて自分で自分の殻を割っていく。

親鳥は子どものペースに合わせて、
それを応援する意味で、外から殻をつついてやる。

ひながまだつつこうとしていないのに、
親鳥が先につついて(からを破ってしまっては)ひなは生まれられない。

つまり、親鳥と雛のタイミングが合うと、
雛がスムーズに生まれる(たまごから出てこられる)という意味。

この意味で、禅で、機が熟して悟りを開こうとしている弟子に
師がすかさず教示を与えて悟りの境地に導くこと。

という意味を持つ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。


■この話から、思うことがあります。

それは、この話にもある通り、


「人のサポートは、”手を差し伸べるべきタイミング”がある」


ということ。

私自身、教育業界に働き、
いろいろな方に、自分の仕事やプライベート、
人生全般を良くするための考え方、スキルを提供しています。

しかし、全員が変わるわけでは、ない。


やはり、人には、
”受け取るべきタイミング“ 
があり、それはコントロールできないのです。


いつ伸びるか、殻を破るかは、
その人の想いと経験、状況、、
それらに委ねられていると思うのです。


いくらこちらの方が情熱的に、

「今の成長のタイミングだ」
「今、変わるべきときだ」
「この話を知っていたら、絶対役に立つ」

と言ったとしても、

“その人自身が、「殻」を破ろうとしているタイミング”

”「殻」を破るに値した経験、能力”

を身に着けていなければ、
どれだけ素晴らしい言葉も、こちらの本気度も、
その人を思って言った深い示唆も、
空虚なものと化してしまう。。。


いい悪いではなく、
それが事実ではなかろうか、

と思うのです。



■人には、それぞれタイミングがある。

だからこそ、
「殻を破りたい」という想いと、
そこに至るまでの叱るべきステップを踏んでいて
(殻を破る力を得つつあり)、

でも、

「それでも足りない、、、」

というときに、
「スッ」と手を差し伸べること。


それこそが相手の立場に立った、
あるべき教育の姿ではなかろうか、

そんなことを思ったのです。


人材開発に関わられる皆様、
また、部下、後輩、友人、子供など
育てたいと思う人がいる方も、
きっと、葛藤があるかと思います。


しかしながら、その気持ちと同時に、

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本人が、”「学び」を受け取れるタイミングかどうか”を考える。

今が、「啐啄(そったく)同時」のタイミングかを考える。

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このことが、
本当に効果的な教育のために、
重要なことではなかろうか、

そのように思った次第です。

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【本日の名言】


発見とは、偶然と準備された心との出会いである。

セント=ジェルジ

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<編集後記>

ベースは、「自力」です。

同時に、もし誰かの助けを待ってばかりである、
という人がいたとしたら、それはそもそも始まってもいない、
ということなのでしょう。

自分でもがいて、もがいて、
その上で手を差し伸べられる、というのが
必要なプロセスなのだろう、

そんなことを同時に思った次第です。

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* 紀藤 康行*

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