配信日時 2017/05/22 12:15

100キロマラソン体験記 ―今この一歩に、魂を込める―

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<本日のお話> 平成29年5月22日 (第1193号)

100キロマラソン体験記 ―今この一歩に、魂を込める―

フランクリン・コヴィー・ジャパン紀藤

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(今日のお話 2854文字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日、日曜日は、
長野県の野辺山にて、ウルトラマラソン100キロのレースに、
友人14名と共に参加してきました。


一般的には、あまり
「ウルトラマラソンとは何か?」というものが知られていないため、
どういった競技なのかを改めて紹介すると共に、

レースを通じて感じた学びを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


「100キロマラソン体験記 ~今この一歩に、魂を込める~」。


それでは、どうぞ。


(長いです、予めご了承ください)



■ウルトラマラソン。

いつからかマラソンがブームになり、
いたるところで走る人を見かけるようになりました。


「走る」ことができるようになると、
人はチャレンジしたくなるものです。


初めはハーフマラソン21キロ。
そして次はフルマラソン42キロ。

そしてそれらも達成すると
次のステップとして、
”より高い挑戦”をしたくなることがあるようです。



70キロとか、100キロとか、
(中には160キロとか400キロランというレースもあるそう)
そんな気違い的なレースに出場する人が、
ちらほら出てくるのです。


おそらく、それは

「自分への挑戦」とか、
「自分の可能性を試したい」とか、

はたまた私のように

「友人に強制的に引っ張り込まれた」など(汗)

様々理由はあるのでしょう。



■そんな背景を踏まえ、
今回の野辺山ウルトラマラソン100キロ。

このレースの舞台の「野辺山」は
日本で最も標高が高いJRの駅として有名な場所です。


そして「野辺山ウルトラマラソン」は、
日本にあるウルトラマラソンの中でも、
その高低差とアップダウンの激しいコースから、
”最も完走が難しい”と言われているレースの一つです。


そして無謀にも、その大会に参加をすることにしたのが、去年の11月でした。

きっかけは、繰り返しますが、
何かと人を巻き込むのが上手な赤羽氏という友人のせい。



(ちなみに、彼のウルトラマラソンのブログは、超絶に面白いです。

 よろしければ、ぜひご覧になられてみてください。
 ものすごく、オススメです。
 
 私は前日読みながら、一人感動して涙しました。
 (まだ走ってないのに) 
 
 【日本一赤裸々な野辺山100kmウルトラマラソン日記】
 http://road-to-raoh.com/20140519/ )
 
  


■さて、レース当日の朝
5月21日(日)の朝2時に起床し、
朝5時のスタートを待ちます。

外はまだ暗い。

また山の朝は寒く、
ゴミ袋被って寒さをしのいでいる人もちらほら。

そして、朝日が差し込む明け方5時がやってきます。


一旦レースがスタートしたら最後、

・走り切るか、
・リタイヤするか、
・それとも関門に引っかかり、強制終了か。

その三択のどれかしかありません。


しかも、頼っても、
助けを求めても、
誰も助けてくれるわけではない。

キツくても、辞めたくなっても、
歩きたくなっても、泣きたくなっても、
1人で全部引き受けて、
そしてどうするか選択しかもなければいけない。

それがマラソンの厳しさです。


■私も先週痛め、鍼治療でごまかした腰を抱えながら、
とりあえずスタートします。

走り始めは良いのです。

しかし時間が立つに連れ、
太陽が高くなり、じりじりと走る距離と、
気温が上昇していきます。


足に溜まった乳酸と、
この時期には珍しい気温30℃を超える強烈な暑さ。

そして消化できない栄養剤が混ざって、
常に吐きそうな感覚になりながら、
とにかく走り続けるのです。


42キロを走っても、
そこからさらに60キロ走らなければいけません。

時間はまだ10時過ぎ。


これから最も外は暑くなる。

体力も、もっとなくなってゆく。。。


その先の道のりが分かっているから、
不安に囚われます。

「一体、後どれほどの苦痛を味わえばよいのか、、」と。



■正午の日差しが照りつける51-70キロ。

「馬越峠」(まごえとうげ)という、
”馬じゃないと越えられない峠”を表すような、
危険な臭いする名前の、激坂が70-77キロ。


そこでは多くのランナーが、
走ることもできず、ゾンビのごとく
フラフラと歩く。


「周りが歩いているから、、、」

その誘惑に負けて、歩くことを選択したくなりますが、
必死でその誘惑に抵抗し、
フラフラになりながらも、なんとか走ります。

ほとんどスピードはなくとも、
とにかく、走ろうとする。

それだけは守ろうと、自分に言い聞かせます。



道端で倒れている人もいれば、
オエっといいながら、
脇道でかがみこんでる人もいます。


しかし、誰もサポートはできません。
皆、自分との戦いで精一杯だから、
自分で乗り越えるしかないのです。



そして、最後20キロ。

山を駆け下り、そして、
最後90キロから最後の登り。

胃もやられ、お腹も痛く、気持ち悪く、
常に胃酸が逆流してきます。

でも、
「あと少し、あと少し」、
と言い聞かせ、ひたすら前に足を出す。


前を見ると、
延々続くまっすぐな道に心が折れそうになる。


だから、

”自分が踏み出す一歩に集中しよう”

”前の人の背中に追いつこう”

それだけ考え、前へ前へと進んでいく。

、、、


「辛くても、いつか終わる」

そう何度自分に言い聞かせ続けたことか。



■ゴールに近づくに連れ、
会場の歓声が聞こえてきます。

「2596番、紀藤さん、帰ってきました!」

と会場アナウンサーが、
一人ひとりのランナーの名前を呼びます。


曲がり角を曲がって、
ゴールのゲートを見た瞬間、
思わず目が熱くなります。


そして、ゴール。

時間は、12時間26分。

朝5時20分にスタートして、
17時46分まで走り尽くしました。

完走どころか、予定より1時間半も早く、
走りきることができたのでした。

そして、結果、
一緒に出場した仲間14人の中では最高の成績でした。



■つらつらと、ウルトラマラソンの体験を、
描かせて頂きましたが、一つ強く思うこと。


それは、


『果てしなく長い距離を走りきるには、
 ”目の前の一歩一歩”を、ただただ積み重ねる』

 
こと。

このことが、いかに大切か、
ということでした。


100キロという、
途方もないと思われる距離も、

「あと4キロ、次のエイド(補給所)まで走ろう」

「あと1キロ、まずは走ろう」

そう小さな目標をたて、
それを達成するために、


『”次の一歩”に、魂を込めよう』


とう言い聞かせる。

足の平、指、身体の動かし方、、、
それらにひたすら、意識を集中させる。


そして後はそれを、
10数万階、ひたすら、繰り返す。

そうすれば、いずれゴールにたどり着くはず。


■「人生はマラソンである」

なんて例えられることがありますが、
本当にその通りです。


10年後の未来は分からない。

将来に不安があるかもしれない。

この期末、どうなるか心配でならない。


、、、

それでも、私たちに与えられているのは、

『今、この瞬間の一歩』

でしかありません。

できることは、この1日を
いかに生ききるか。

いかにやりきるか、だと思うのです。



その一歩一歩を、妥協せず、
やり遂げられた人だけが、
きっと、自分のゴールにたどり着くことができる、


当たり前の話かもしれませんが、
私は、そのように思います。


【今この一歩に、魂を込める】


私たちにできることは、
ただ、それだけなのだ、

そのことを、これからも
ずっと意識していきたい、

そう思った次第です。



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【本日の名言】

千里の道も一足ずつ運ぶなり。

宮本武蔵

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<編集後記>

実は、今回の野辺山、知人・友人(お客様も!)
参加していました。

会場で偶然お会いした、
いつもお世話になっている社内ファシリテーターのOさん。
とてつもない走力と実力で、度肝を抜かれました。
(さすがです!)

ランニングのきっかけを与えてくれた、
もう長らくのお付き合いになるYさん。
一緒に走れて、光栄でございました!

暑い中、本当にお疲れさまでした。
また一緒に走りましょう。


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